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10回目の今年は過去最多の1万4千句が寄せられたそうだ。日本旅のペンクラブが16日の「旅の日」にちなんで募った川柳である。受賞作が発表された。〈元号を二つ跨いだ旅プラン〉。大賞には三鷹市の田崎信さんの一句が選ばれた

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松尾芭蕉が〈片雲の風に誘はれて、漂泊の思ひやまず〉と「奥の細道」に旅立ったのは1689(元禄2)年の3月27日。新暦に換算すると5月16日にあたる。新緑が薫風に揺れる。芭蕉ならずとも日常を離れて知らない土地を歩いてみたい季節である

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旅には予期せぬ出合いが待っている。長谷川櫂(かい)著「『奥の細道』をよむ」によれば、この旅で芭蕉には二つの思いが相次いで芽生える。変化しないものと変化してやまないものは根本では一つとの「不易流行」と「かるみ」だ。この宇宙観、人生観が俳句にも新たな可能性を開く

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ヒマラヤの山々や北極圏など世界を旅してきた写真家石川直樹さんは近年、大分県の国東(くにさき)半島に深い興味を持ち取材を重ねた。「未知の世界」は遠い場所ばかりではなく、身近にもあることを表したかった―。本紙に石川さんのそんな言葉が載っていた

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〈穴場の地インバウンドに教えられ〉。「旅の日」川柳で昨年大賞に輝いた伊東慶子さん(諏訪市)の作品だ。信州でも増えている外国人観光客は何を発見し、どこに心動かされているのだろう。その目を持てば遠出がかなわずとも「未知の世界」への入り口を見つけられるかもしれない。

(5月17日)

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