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女性議員 政党が担う責任は重く

 政治分野の男女共同参画推進法が参院で可決、成立した。国会や地方議会に女性議員を増やしていくための礎となる法である。

 議員選挙に際し、男女の候補者数ができるだけ均等になるよう政党に自主的な取り組みを求めている。強制力がない努力目標にとどまるとはいえ、女性の政治参画の道を広げる上で、立法が実現した意味は大きい。

 与野党の議員連盟が何年も議論を重ねて法案を一本化し、衆参両院で全会一致で可決した。それだけに各党は、法を実りあるものにする責任を負う。

 ドイツやスウェーデンは、政党の自主的な取り組みによって女性議員が増えた。候補者を男女同数にする、比例候補の名簿を男女交互にする、といったことは各党の判断でできる。国会(下院)の女性議員比率はドイツが3割、スウェーデンは4割を超す。

 日本の衆院は1割である。各国と比べても、193カ国中158位と世界で最も低い水準だ。都道府県議会や市町村議会も大方が1割台にとどまっている。

 女性議員を増やせるかは、まずもって政党の姿勢にかかる。急には難しいという声も聞こえるが、積年の課題への取り組みを怠ってきたのは政党自身である。言い訳を重ねているときではない。

 議会のあり方を見直すことも欠かせない。熊本で昨年、女性市議が赤ちゃんを連れて議会に出席しようとして拒まれた。出産や子育てをしながら政治に参加することの難しさを、目に見える形で訴える行動だった。

 ほかの地方議会や国会にも向けられた問題提起である。正面から受けとめ、壁をどう取り払うかを考えなければならない。

 一方では、育児だけでなく家事や介護の負担も女性に偏り、政治は男性の仕事という意識が根強い現実がある。努力目標から一歩進め、クオータ制の導入についても議論すべきだ。

 候補者や議席数の一定割合を女性に割り当てる制度である。およそ130の国や地域が何らかの形で取り入れている。背を向ける理由は見いだせない。

 議会は、社会の多様な意見を反映できる場でなければならない。男性と対等、平等な存在である女性が極端に少ない現状は、議会のいびつさを映している。

 理念法ができたことをよしとして立ち止まっているわけにいかない。政党や各議会が主体的な取り組みをどう進めるか。有権者の側からの働きかけも大切になる。

(5月17日)

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