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戸隠神社奥社参道で熊目撃 参拝客の間近に

戸隠神社奥社の参道に現れた熊=15日午後2時45分ごろ(提供写真)戸隠神社奥社の参道に現れた熊=15日午後2時45分ごろ(提供写真)
 長野市戸隠の戸隠神社奥社の参道に15日、熊1頭が出没し、参拝客らの間近を歩くところを須坂市の女性(53)が撮影し、16日、信濃毎日新聞に画像を提供した。市いのしか対策課によると、4月以降、参道や近くの鏡池周辺での熊の目撃情報が例年より多めに寄せられているという。専門家は、春の気温上昇が例年に比べて早く、熊が早くから活動を始めている可能性があるとして注意を呼び掛けている。

 女性は15日午後2時ごろ、夫と2人で奥社に向かって参道入り口を出発。10〜15分ほど歩いたところで熊が南から北へ参道を横切ったのを目撃し、恐怖から参道入り口まで引き返した。休憩後、再び奥社に向かった午後2時45分ごろ、最初に目撃したのとほぼ同じ場所で、北から南に横切る熊を目撃。熊との距離は数メートルだったといい、刺激しないように距離を取り、携帯電話で撮影。奥社参拝をあきらめて帰った。

 女性によると、熊は体長1メートル前後。足取りがおぼつかない感じだった上、周囲の人を気にしている様子もなかったという。北佐久郡軽井沢町で熊の生態を調査するNPO法人ピッキオの野生動物担当、玉谷宏夫さん(45)は、▽体調に何らかの異常がある▽子熊のため周囲への警戒心が芽生えていない▽発情期に入った雄に襲われておびえている―といった可能性を指摘する。

 同課によると、近くの鏡池周辺では4月20日と26日にも熊の目撃情報があった。5月に入っても、ツイッターなどで参道周辺での目撃情報が複数投稿されている。

 信州大教育学部付属志賀自然教育研究施設(下高井郡山ノ内町)の水谷瑞希助教(森林生態学)によると、4〜5月は通常、冬眠から目覚めた熊が山菜類などの餌を探す時期。今年は春の気温上昇が例年に比べて早く、「熊も早く活動を始めている可能性がある」という。

 ピッキオの玉谷さんは、参道周辺の熊出没について、「人間と熊の距離が近づき過ぎており、好ましくない。専門家の協力で原因を究明し、対応策を考える必要がある」としている。

(5月17日)

長野県のニュース(5月17日)