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県開発の酒米新品種「山恵錦」で全国金賞 信濃町の酒造店

高橋助作酒造店が酒米「山恵錦」で仕込んだ3種類の日本酒=上水内郡信濃町高橋助作酒造店が酒米「山恵錦」で仕込んだ3種類の日本酒=上水内郡信濃町
 酒類総合研究所(広島県東広島市)が17日発表した2017酒造年度(17年7月〜18年6月)の全国新酒鑑評会の審査結果で、県が開発した酒米の新品種「信交酒545号(山恵錦(さんけいにしき))」で仕込んだ高橋助作酒造店(上水内郡信濃町)の純米大吟醸「松尾」が、最優秀の金賞を受賞した。県酒造組合(長野市)によると、鑑評会では代表的な酒米「山田錦」での受賞酒が多数を占めており、新品種での金賞受賞は「前例がないのではないか」としている。

 全国新酒鑑評会は、日本酒の品質向上のため毎年開催。今回は全国から計850点が出品され、421点が入賞、うち金賞は232点だった。県内の酒蔵からは29点が入賞し、松尾を含む12点が金賞に選ばれた。

 山恵錦は県農業試験場(須坂市)が03年から13年にかけて育種した。酒米の最高峰とされる「山田錦」や、冷害に強く味が良い「ゆめしなの」の系統を引く。農林水産省が品種登録すれば、正式名称の「山恵錦」となる。17年度、県の認定品種になり、18年度産から本格栽培に移った。

 高橋助作酒造店の出品酒は、地元の信濃町で契約栽培した山恵錦を使った。試験醸造を重ね、鑑評会への初挑戦で金賞を受賞。高橋邦芳社長は「県の新品種を試してきた酒蔵として責任を果たした思い。運も良かった」。県工業技術総合センター(長野市)の担当者も「品種登録前の受賞は画期的」とした。

 県農業技術課によると、現在の県内酒米の主力品種「美山錦」は、温暖化の影響による品質低下が課題になっている。品質を維持しやすく、病気に強い山恵錦への期待は大きい。美山錦を使った酒でも金賞受賞歴がある高橋社長は「山恵錦は従来の酒米と違った魅力がある。美山錦と並ぶ存在になれば」と話す。

 今回、都道府県別で金賞の数が最も多かったのは福島県と兵庫県で各19点。長野県は6番目だった。県は16年に、全国新酒鑑評会での金賞獲得数日本一を目指すプロジェクトを始動。金賞は前年度より2点増え、入賞数は8点増えて福島県、新潟県に次ぐ多さだった。

 県内の他の金賞受賞銘柄は次の通り(発表順)。

 西之門(よしのや・長野市)深山桜(古屋酒造店・佐久市)亀の海(土屋酒造店・同)亀齢(岡崎酒造・上田市)秀峰喜久盛(信州銘醸・同)水尾(田中屋酒造店・飯山市)真澄(宮坂醸造真澄諏訪蔵・諏訪市)高天(高天酒造・岡谷市)井乃頭(漆戸醸造・伊那市)木曽の棧(西尾酒造・木曽郡大桑村)大雪渓(大雪渓酒造・北安曇郡池田町)

(5月18日)

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