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信濃川に水力発電所計画 サケ遡上影響に懸念

信濃川のJR東日本宮中取水ダム。市は隣接する右岸側の土地(中央奥)に水力発電所の建設を計画している=新潟県十日町市信濃川のJR東日本宮中取水ダム。市は隣接する右岸側の土地(中央奥)に水力発電所の建設を計画している=新潟県十日町市
 長野、新潟県境から約20キロ下流にある信濃川のJR東日本宮中取水ダム(新潟県十日町市)隣接地で、十日町市が新たに水力発電所を建設する計画を進めている。ダム上流で取水し、発電後に水をダム下流に戻す計画。2025年度の運転開始を予定するが、上流の千曲川では今年3月、長野県などがサケの稚魚放流を再開したばかりだ。専門家から「魚の遡上(そじょう)に影響が出る」と懸念する声が出ている。

 十日町市によると、新たな水力発電所は、同ダムに隣接する信濃川右岸に建設。ダムのすぐ上流で毎秒35〜38立方メートルを取水して落差を利用して発電する。出力は約3千キロワット、年間発電量は一般家庭約5千世帯分に相当する約2400万キロワット時を見込む。電力会社に売電して利益を市民に還元する計画で、総事業費は50億円以上、早ければ22年度に着工する。

 一方、長野県や飯山市など千曲川の流域市村、県漁業協同組合連合会(長野市)などでつくる協議会は今年3月、東京電力西大滝ダム(飯山市、下高井郡野沢温泉村境)に遡上するサケが少ない原因を調べるため、稚魚計20万匹を千曲川水系に放流した。県が関わる放流は18年ぶりで、5年間継続する予定だ。

 新たな発電所の建設により、川を下る稚魚が取水口に吸い込まれたり、発電後の水をダム直下に排水することで川の流れが変わり、さかのぼる魚が魚道を見つけられなくなる可能性もある。元水産総合研究センター主幹研究員の片野修さん(上田市)は「魚にとっては悪影響しかない」とする。

 十日町市は本年度、専門家や関係者で委員会をつくり、河川環境への影響を減らす方法を検討する予定。委員に長野県関係者を入れるかどうかは「検討中」としている。

(5月21日)

長野県のニュース(5月21日)