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地方議会改革 実践重ねて道を開こう

 担い手をいかに確保するか。県内外の市町村議員らが集まり、地方議会の抱える課題について考える研修会が飯綱町で開かれた。

 なり手不足は、高知県大川村が昨年、村議会を廃止し有権者全員で議事を決する「村総会」を検討すると宣言したのを機に、改めて関心を集めた。

 高齢化と人口減少が進み、町村議選だけでなく、道府県議選、市議選でも無投票当選の割合が増えている。長野県内では、77市町村議会のうち26議会の議員が無投票で決まっている。

 研修会でも聞かれたように、何か一つでいい。各議会は改革の実践を通して、住民との距離を縮めてもらいたい。

 議会の役割が見えにくい。首長の追認機関となり存在感を失っている。民意を反映して政策立案することが大切―。研修会で挙がったのは、これまでも指摘されてきた問題だった。

 それが重みを持つのは、改革に取り組んできた発言者の実感がこもっているからだろう。

 会場となった飯綱町の議会は、住民の意見を取り入れて政策提案する「政策サポーター制度」の創設、議会だより住民モニターの増員、議長選マニフェスト(公約)の導入を実現してきた。サポーターやモニター経験者がいま、議員として活躍している。

 夜間・休日に議会を開く喬木村議会、定数割れを教訓に活性化特別委員会を置いた高山村議会、高校生との交流事業を続けた松本市議会…。県内でさまざまな動きが見られる。手探りであっても、一歩を踏み出す姿勢は心強い。

 大川村の宣言を受け、総務省の有識者研究会は3月、地方議会に新たな仕組みを加える報告書をまとめた。現行の議会と、非専業の多数の議員が夜間や休日に審議する「多数参画型」、少数の専業的な議員で構成する「集中専門型」の三つを用意し、市町村が選べるようにするとの内容だ。

 議会側は「機能の低下を招く」「自治権の侵害だ」と反発している。ならばなおのこと、地域に見合う運営の工夫が、それぞれの議会に求められる。

 日本の人口は50年後、8800万人に減る。行政サービスの水準を維持するのなら、住民の負担増は避けられない。議会不要論も根強いけれど、民意を反映させる回路はますます重要になる。

 住民の合議制のあり方は、一人一人の暮らしに結び付く。統一地方選まで1年。もう一度、身近な議会に目を向けたい。

(5月21日)

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