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入所者を性的虐待 賠償命令 地裁松本支部判決

 塩尻市の知的障害者の女性が、入所していた伊那市内の施設の男性職員から性的虐待を受けたとして、男性や施設を運営する社会福祉法人「アンサンブル会」(下伊那郡松川町)などに、計約1200万円の損害賠償を求めた訴訟で、地裁松本支部(松山昇平裁判長)は23日、男性と同会に慰謝料など計330万円を連帯して支払うよう命じた。必要な調査を怠ったなどとして、塩尻市と県にも慰謝料の支払いなどを求めたが、同支部は請求を棄却した。

 松山裁判長は判決で、障害者虐待防止法は、施設従事者が利用者にわいせつ行為をすることを虐待と定義していると指摘。「原告が障害の影響を受けることなく、被告(の男性)との性行為に応じていたとはおよそ認められない」とした。男性職員は2013年10月から15年1月にかけ、女性と施設内などで性的関係を持った。女性は同年2月に妊娠が分かり、中絶した。同会については、「使用者責任を負う」とした。

 原告代理人の上條剛弁護士(松本市)は「性的虐待と認めたことは画期的な判決だが、承服できない部分がある」。一方、同会の小椋年男理事長は「判決文が届いていないのでコメントは差し控えたい」とした。

 判決は、塩尻市が被害の通報を受けて調査したものの、「自由恋愛と判断した」との主張について、違法性はなかったと判断。塩尻市は「市の主張が認められた」(健康福祉事業部)。県は「妥当な判決だ」(障がい者支援課)とした。

(5月24日)

長野県のニュース(5月24日)