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「おらほの宝」に評価 日本遺産認定で喜び

黒曜石や黒曜石の石器など数百点を展示している茅野市尖石縄文考古館黒曜石や黒曜石の石器など数百点を展示している茅野市尖石縄文考古館
 文化庁の「日本遺産」に24日、八ケ岳山麓の長野県8市町村と山梨県6市による「星降る中部高地の縄文世界―数千年を遡(さかのぼ)る黒曜石鉱山と縄文人に出会う旅」が認定された。黒曜石や縄文文化の魅力を伝えてきた人たちは、改めて地元の遺産の価値をかみしめるとともに、全国にアピールするきっかけになると喜んだ。

 黒曜石の採掘跡は、小県郡長和町と諏訪郡下諏訪町に残る。長和町には国史跡「星糞(ほしくそ)峠黒曜石原産地遺跡」などがあり、町は町内の黒耀石(こくようせき)体験ミュージアムで魅力を伝えている。町教育委員会教育課長補佐の大竹幸恵さん(58)は「採掘地は黒曜石を求めて遠くから来る人の出会いの場だった。食、温泉を楽しみにしつつ、遺跡を訪れる人が増えてほしい」と期待した。

 下諏訪町の国史跡「星ケ塔遺跡」の鉱脈は、同町埋蔵文化財センター星ケ塔ミュージアムで原寸大のジオラマに再現、展示されている。町諏訪湖博物館・赤彦記念館の宮坂清館長(53)は「20年以上の調査・研究が、観光の観点で評価されたのはうれしい」。青木悟町長は「認定された県内外の市町村と協力し、縄文の魅力をさらに発信したい」と喜んだ。

 大規模な縄文集落があった茅野市。黒曜石の矢尻など数百点を展示している市尖石縄文考古館によると、市内の駒形遺跡などは黒曜石を石器に加工、流通させる拠点だった。県文化財保護審議会委員の会田進さん(71)=諏訪郡原村=は「なぜこれほど繁栄したのか、認定が研究進展のきっかけになることを期待する」と話した。

 同市は2010年度から、市内の縄文遺跡、遺物をまちづくりに生かす「縄文プロジェクト」を展開。推進役の市民会議「広める部会」の樋口敏之部会長(61)は認定を歓迎した上で、縄文文化の価値を分かりやすく伝え、共有する方法が課題だとし「市民会議で議論したい」と述べた。

 南佐久郡川上村でも、縄文中期の集落遺跡で国史跡の「大深山(おおみやま)遺跡」から、水流のような模様の「曽利式土器」や立体的な模様の「井戸尻式土器」が出土。出土品は村文化センターで展示している。村教委の長崎治社会文化係長は「認定は光栄。他の自治体と連携し、遺跡を観光や学習に活用できる方法を考えたい」と話した。

 長野、山梨両県の申請は17年度に続く2度目で認められた。今回は長野県教委が申請代表自治体となり、黒曜石を前面に出すストーリーに仕立て直したという。今後は両県や関係市町村などで協議会をつくり、一帯をPRする新たな催しの企画などに取り組む予定という。

(5月25日)

長野県のニュース(5月25日)