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IHIターボ、エンジン過給機増産へ

過給機を製造するIHIターボの新町工場。新たな設備の導入などで生産体制を増強する過給機を製造するIHIターボの新町工場。新たな設備の導入などで生産体制を増強する
 車両用、建設機械用過給機(ターボチャージャー)製造のIHIターボ(木曽郡大桑村)は2019年3月期、過給機の生産台数を前期比1割増の年間150万台に引き上げる。エンジンの出力向上と低燃費化を両立できる過給機の需要が中国などで伸びていることに対応。大桑村の木曽工場と上伊那郡辰野町の新町工場に計約10億円を投資して設備を更新し、生産性を高めて増産する。

 過給機は、排ガスを利用してタービンを回転させ、その力で圧縮した空気や混合気をエンジンに送り込んで出力を高める。従来は排ガス削減のためディーゼルエンジンに搭載されてきたが、近年はガソリン車についても排気量の小さいエンジンと過給機を組み合わせる「ダウンサイジング」(小型化)の流れが強まり、採用が広がっている。

 先行して過給機が普及する欧州に加え、中国や東南アジアでも需要が高まっており、IHIターボの18年3月期の生産台数は前期比1割増の137万台と、過去最高を記録。19年3月期はさらに伸びるとみており、タービン部品の研削装置や、空気を圧縮するコンプレッサー部品を削り出す機械などを導入し、生産体制を整える。

 将来的には電気自動車(EV)へのシフトも予想されるが、満永敬哉社長は「EVや燃料電池車の比率は高まっていくだろうが、世界の自動車市場全体が拡大していく中で、内燃機関の需要は底堅いとみている」と強調。いずれハイブリッド車(HV)やプラグインハイブリッド車(PHV)にも過給機が搭載されるようになると説明し、「過給機の搭載率は今後も上がっていく」と見込む。

 IHIターボはIHIグループの過給機生産で中核的な「マザー工場」と位置付けられ、海外拠点に基幹部品の供給も行っている。満永社長は「高品質な製品を低コストで仕上げる態勢を整え、競争力を高めていく」としている。

(5月30日)

長野県のニュース(5月30日)