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アルピコ交通と長電バス 繁忙期運行支え合いへ

アルピコ交通が運行する上高地行きの路線バス(上)と、長野市のJR長野駅前を走る長電バスの路線バス(下)アルピコ交通が運行する上高地行きの路線バス(上)と、長野市のJR長野駅前を走る長電バスの路線バス(下)
 ともにバス事業を手掛けるアルピコ交通(松本市)と長電バス(長野市)が繁忙期の運転手不足に対応するため、互いの運行を支え合う試みを始めることが29日分かった。夏に山岳観光地への輸送が増えるアルピコ、冬にスキー場への輸送が増える長電が、両社が共同運行する長野市内の路線バスの人員・車両をやりくりし合うことで、必要な人員を確保する。深刻化する人手不足に、バス事業者同士のスクラムで対抗する。

 両社は、長野市の委託を受け、同市の中心市街地を循環するバス「ぐるりん号」と、長野駅―保科温泉間を結ぶ「大豆島保科温泉線」の2路線を共同運行している。観光地などで繁忙期を迎えた一方のバス会社は、これら2路線から運転手2人(バス2両)を観光路線などに振り向け、もう1社がその分をカバーする。夏と冬にそれぞれ2カ月の支援期間を想定している。

 1日に計44便を運行するぐるりん号では繁忙期に10便ほど、平日に計34便ある大豆島保科温泉線は6便を互いにカバーし合い、安定的なバス運行につなげる計画。ダイヤはそのままのため、乗客への影響はないとしている。

 今回の試みは、互いに繁忙期が異なることに着目したアルピコ交通が今年春、長電バスに提案した。バス業界では不規則な労働時間などを要因に、運転手不足が年々深刻化している。繁忙期は貸し切りバスの受注を制限したり、増発に対応できなかったりするケースがあるという。

 両社は今年1月、アルピコ交通が営業する北安曇郡白馬村と、長電バスが営業する下高井郡山ノ内町を結ぶ直行便バスの共同運行を開始。両社の観光拠点に初めて相互乗り入れした。長電バスの佐々木弘明常務は今回の連携について「共通の悩みを解決できる」と歓迎。アルピコ交通の鈴木立彦・取締役運輸事業本部長は「今後も連携できるところは知恵を絞っていきたい」と話している。

 アルピコ交通では約500人、長電バスでは約200人のバス運転手が働いている。両社は30日に開く長野市などの公共交通に関する会議で今回の運転手不足対応の試みについて承認を得た上で、北陸信越運輸局長野運輸支局(長野市)に届け出る予定だ。

(5月30日)

長野県のニュース(5月30日)