長野県のニュース

白馬岳 標高2800メートル付近にイノシシ

白馬山荘付近をうろつくイノシシ。25日午後4時ごろ、同山荘の奥田副支配人が動画を撮影した白馬山荘付近をうろつくイノシシ。25日午後4時ごろ、同山荘の奥田副支配人が動画を撮影した
 北アルプスの白馬岳(標高2932メートル)にある白馬山荘(同2832メートル)付近でイノシシ1頭が目撃された。山荘従業員が動画を撮影。白馬岳周辺でイノシシが目撃されるのは珍しいという。専門家は、イノシシの生息域が広がっている可能性を指摘し、高山植物への影響などを懸念している。

 イノシシは体長約1・5メートルほどで、25日に同山荘と白馬村営白馬岳頂上宿舎(同2730メートル)を結ぶ稜線(りょうせん)の富山県側に現れた。白馬山荘の奥田裕之副支配人(60)が動画で撮影。白馬山荘から約200メートル離れた場所で、斜面をうろつき、植物や地面のにおいをかぐ様子を捉えた。

 奥田さんは25日正午すぎに登山者からイノシシを見たとの報告を受け、午後4時ごろ、同じ場所に現れたため、山荘から望遠レンズで撮影したという。奥田さんは以前からイノシシの目撃情報を受けていたが、「自分の目で見るのは初めて」と驚いた。イノシシは突進してくる可能性もあり、登山者に注意を呼び掛けるほか、「対策について専門家の意見を聞きたい」とする。

 長野県は白馬岳を含む後立山連峰の数カ所にセンサーカメラを設置しており、2015年に同連峰南部の岩小屋沢岳(標高2630メートル)の山頂付近で初めてイノシシを撮影。同岳付近ではその後も撮影されていた。県環境保全研究所(長野市)によると、同連峰北部の白馬岳付近での撮影例はなかったという。

 同研究所の陸斉(くがひとし)・自然環境部長は、高山植物の根を掘って土中の昆虫を食べる可能性もあるとし、「個体数の増加に伴い、標高が高い場所に餌を求めるイノシシが出てきているとみられる」と推測。イノシシが高山植物を荒らす懸念もあるとし、イノシシの活動や環境への影響について「動向を注視した方がいい」としている。

(5月31日)

長野県のニュース(5月31日)