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18歳成人式どうなる 成人年齢下げ 今国会に法案

色鮮やかな振り袖を販売する呉服店。成人年齢の18歳引き下げを巡り、業界には「成人式は20歳で」と求める声もある=長野市のまるため色鮮やかな振り袖を販売する呉服店。成人年齢の18歳引き下げを巡り、業界には「成人式は20歳で」と求める声もある=長野市のまるため
 成人年齢を現行の20歳から18歳に引き下げる民法改正案と関連法の改正案。政府は今国会での成立、2022年4月の施行を目指すが、「18歳成人」でさまざまな影響が予想されるのが成人式だ。高校の制服での出席が増え、振り袖を着る人が減る―と気をもむ県内呉服業界。1月の「成人の日」は大学などの受験期に当たり、県内自治体も1月の式典の前倒し開催など何らかの対応を迫られる。さらに22年度は18〜20歳が一斉に成人式を迎えれば、会場確保も課題となる。政府は式の在り方について検討を始めており、関係者は動向を注視している。

 「成人式の対象が18歳になれば、振り袖を着る機会が失われる」。長野市の呉服店「まるため」の小池正司社長(64)は気に掛ける。高校生で成人式を迎えれば、制服で出席する新成人も相当数見込まれ、重要な商機を逃しかねない―と考えるためだ。

 小池社長が理事を務める日本きもの連盟(事務局・京都市)は、式典の参加年齢を20歳のままにするよう政府に要望している。「受験を控えた18歳の若者が新成人としての自覚、誇りを持って式典に参加できる環境は整っていない。慣習として定着した20歳が最もふさわしい」と主張している。

 成人式の実施時期や対象年齢には根拠となる法律がない。民法改正に関する政府の連絡会議が4月の初会合で示した資料によると、17年に成人式を「成人の日」のある1月に開いた自治体は全国の約85%を占めた。会議の中では、成人式が大学などの受験期と重なるのを避けるため、数カ月前倒しで実施する声も上がっている。

 県内では、県外への進学者らが帰省しやすい夏休みに合わせて開く市町村も多い。県教委によると、18年の成人式は、1月開催が33市町村、5月が2市村、8月が44市町村(長野市と伊那市は1、8月に分散開催)。このうち長野市は式典の開催時期について「本年度から検討を始め、なるべく早く方向性を出したい」(市教委)とする。

 成人式の在り方について悩み始めているのが上伊那郡飯島町だ。町民有志が2年前の成人式から、新成人が中学時代に収穫したサツマイモで造った芋焼酎を振る舞ってきた。ただ、飲酒や喫煙が可能になる年齢は「20歳」に据え置かれるため、町教委は「成人式の対象が18歳になれば、お酒は飲めなくなる」と戸惑う。

 施行初年度は18〜20歳がまとめて成人を迎え、一つの式典会場に新成人が入り切らないことが予想される。松本市が1月に市総合体育館で開いた成人式は、対象人数が2300人余に上った。市教委の担当者は「3学年分が一緒に式典を開けるスペースはない」と困惑している。

 政府の連絡会議は今後、全国の自治体から意見を聞いた上で対応を検討するとしている。

(6月3日)

長野県のニュース(6月3日)