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森友学園問題 引き続き解明が必要だ

 森友学園を巡る決裁文書改ざんの調査報告書が発表された。財務省は、理財局長だった佐川宣寿前国税庁長官が方向性を決定付けたと認定している。

 国会に改ざん文書を提出した前代未聞の不祥事である。本当に理財局の独断だったのか。身内の調査で幕引きにはできない。問題の核心である8億円の値引きは疑念が残ったままだ。引き続き解明を進めなくてはならない。

 報告書によると、国会審議が紛糾するのを回避するために改ざんした。佐川氏のほか、理財局総務課長が中核的な役割を担ったとしている。

 調査結果に合わせ、関係者20人の処分も発表した。佐川氏は停職3カ月相当としている。総務課長は停職1カ月、当時の事務次官は減給とした。

 交渉記録の廃棄は、昨年2月に首相が「私や妻が関係していたなら首相も国会議員も辞める」と答弁したことがきっかけだったと認定している。首相は先週の国会審議で、自身の答弁が起点ではないと発言していた。この主張を覆す調査結果である。

 森友が開校を目指した小学校は首相の妻、昭恵氏が一時、名誉校長に就任していた。官僚の忖度(そんたく)はなかったのか。麻生太郎財務相は昭恵氏の存在と文書改ざんは関係ないとしたものの、森友に対する特別扱いを隠そうとした可能性は否定できない。

 文書改ざん、記録の廃棄は森友問題の一部にすぎない。佐川氏は局長当時、森友側との事前の価格交渉を否定し、交渉記録は廃棄したとの答弁を繰り返した。そもそもなぜ事実と異なる説明をしたのか。報告書が出ても、肝心な点は曖昧なままだ。

 一連の問題について大阪地検特捜部は佐川氏ら全員を不起訴処分とした。法廷での解明は当面、望めない。佐川氏の再喚問をはじめ関係者を国会に招致し、事実関係をはっきりさせる必要がある。

 麻生氏の責任も改めて問わなければならない。報告書の公表に合わせ、閣僚給与1年分を自主返納する意向を示す一方、進退は考えていないとした。首相も「責任を全うしてもらいたい」と擁護を続けている。

 国会を欺く重大な問題を起こしながらトップが続投するのは筋が通らない。「白を黒にしたりしたような改ざんといった悪質なものではないのではないか」と問題を軽視するかの答弁もあった。組織の立て直しを任せることはできない。辞任すべきである。

(6月5日)

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