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高校新卒者の資格取得を支援 人手不足に悩む県内事業所

高校卒業後、アルピコ交通にバス運転手候補生として採用された砂山さん(左)。大型2種免許が取得できるまで接客窓口や事務などを担当する高校卒業後、アルピコ交通にバス運転手候補生として採用された砂山さん(左)。大型2種免許が取得できるまで接客窓口や事務などを担当する
 バス会社や医療機関をはじめ人手不足が目立つ分野の県内事業所が、資格取得経費を負担したり奨学金を出したりして高校新卒者の確保に力を入れている。これまでは専門学校などを卒業して資格を持った人材を採用していたが、若年労働者が不足する中で方針を転換。まずは人材を確保してから、育成していこうと模索している。

 「いらっしゃいませ」「1番乗り場へどうぞ」―。5月下旬、松本バスターミナル(松本市)の乗車券売り場窓口。アルピコ交通入社3年目の砂山将嵩(まさたか)さん(20)が、乗客に対応していた。

 アルピコ交通は2015年度から高校新卒者を「バス運転手候補生」として採用。当初は窓口業務や事務を担当させ、バスの運転に必要な大型2種免許が取得できる21歳になったら受験してもらう。自動車学校の受講料約40万円は会社側が負担する。

 バス運転手はこれまで、大型2種免許を持った人材の中途採用が中心だったが、人手が十分確保できず、門戸を広げた。砂山さんは南安曇農業高校(安曇野市)を卒業し、16年春に入社。「大きいバスを操れる運転手に憧れていた」と言い、同社の制度を「ありがたい」と話す。

 長電バス(長野市)も17年春から高校新卒者をバス運転手候補生として採用。大型2種免許取得費用を会社で負担している。「運転手を確実に確保するために始めた」と人事担当者は話す。

 資格取得などの費用負担を条件に、高校新卒者を確保する採用・育成の手法は、他の業種でも広がる。

 松本市などで7店舗を経営する自動車販売・修理などのアルガオートサービス(松本市)は19年春から、高校新卒者を採用する。採用後は専門学校で自動車整備士の資格取得を目指して勉強してもらい、同社で一定期間以上勤務することを条件に、2年間で二十数万円を上限に学費を補助する。

 一方、千曲中央病院(千曲市)は、大学や専門学校の看護学科に進学する若者に月6万円の奨学金を支給。看護師になり、受給したのと同じ期間、同病院に勤務すれば返済は不要になる。特別養護老人ホームなどを運営する敬老園(本部・上田市)は、訪問看護に必要な「初任者研修」などの受講費用を負担する。

(6月6日)

長野県のニュース(6月6日)