長野県のニュース

御嶽山頂近くの地震計、県が撤去を検討 代替機器設置は考えず

 御嶽山の山頂付近に県が設置し、2014年9月の噴火災害の際は故障のため機能しなかった地震計について、県が撤去の検討を始めたことが7日、分かった。県は、設備が壊れて強風時などに飛ばされる危険があるほか、噴火後に充実した周辺の観測網により、必要なデータは補完できると説明。新たな機器を設ける考えはないとしている。

 県砂防課によると、地震計は2001年、木曽郡王滝村の王滝頂上(2936メートル)付近に設けた。噴火に伴って火砕流や土石流が発生した際の振動を感知し、中腹や山麓での災害対応に役立てる目的。火山性地震も観測できるため、観測データは火山活動を監視・観測する気象庁や名古屋大も共有していた。

 ただ、落雷などで頻繁に故障し、13年8月からは観測不能に。14年の噴火後に確認したところ、機器を覆う金属製カバーが外れ、電源のソーラーパネルが傷んでいた。木曽郡木曽町が今秋、山頂への登山道の規制解除を目指す中、同課は「強風で飛ばされ、登山者に危険が生じる可能性もある」とする。

 14年の噴火後には気象庁が別の場所に観測機器を増設しており、同課の田下昌志課長は「観測データの提供を受ければ、土砂災害の監視に問題はない」とする。既に気象庁や名大に撤去を打診し、了解を得たという。代わりの観測機器の設置を国などに求める考えはないとしている。

 噴火災害を巡っては、犠牲者の遺族らが、噴火警戒レベルを2(火口周辺規制)に引き上げるのを怠ったなどとして国と県に損害賠償を求める訴訟を起こし、地裁松本支部で係争中。この地震計の管理について「県が故障を放置し適切に観測する義務を怠った」と主張し、争点の一つになっている。田下課長は「遺族には丁寧に話したい」とし、今月中に説明の場を設ける考えを示した。

(6月8日)

長野県のニュース(6月8日)