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「日本童謡学会」設立へ 県内外の大学教授や音楽家ら

 県内外の大学教授や音楽家らが7月以降、童謡の研究や普及に取り組む一般社団法人「日本童謡学会」を設立する。多くの童謡を紹介した児童雑誌「赤い鳥」が1918(大正7)年に創刊されてから100年の節目に、童謡の歴史や作品解釈などを研究し、今後に歌い継ぐ目的。発起人の一人で童謡の研究・普及に取り組む松本短大(松本市)の山田真治教授(56)は「童謡の良さをきちんと検証し、次世代に継承したい」と話している。

 設立発起人は、童謡歌手や作詞家、研究者ら約30人。代表理事には「里の秋」などの作曲で知られる海沼実(長野市松代町出身)の同じ名前の孫で、音楽評論家の海沼実さんが就く予定。設立に向けた記者発表会を今月30日に都内で開き、童謡の歌詞を使った百人一首も披露する。

 童謡に関心を持つ有志が2014年、研究や交流を進める「童謡100年プロジェクト」をスタートさせ、学会設立につながった。学会の設立趣意書では、音楽や遊びの多様化などで子どもが童謡に触れる機会が減り、童謡作家らの子孫が持つ資料も埋もれていく恐れがあるとして「童謡文化は危機的状況にある」と指摘。加えて、「童謡に関する研究、検証は不明な点や誤りが多いのも事実」とし、研究を進めて童謡文化を国内外に発信する必要性がある―と訴えている。

 童謡の舞台や、作詞作曲家にゆかりの地は全国にある。学会設立準備委員会の星僚太朗代表(46)は「童謡を題材にもっとまちおこしができると思う」と強調。童謡の優しい歌詞やメロディーは「子どもから大人まで一緒に歌え、世代を超えたコミュニケーションに役立つ」と話す。

 県内出身では「シャボン玉」を作った中山晋平(中野市出身)、「揺籃(ゆりかご)のうた」の草川信(長野市出身)ら、名曲を生み出した作曲家や作詞家も多い。山田教授は「信州は童謡のふるさととも言える。大切な宝物を一緒に発信していきたい」と話している。

(6月9日)

長野県のニュース(6月9日)