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微細プラごみ 危機感持った対応が急務

 プラスチックのごみによる海洋汚染が広がる中、近年、大きさが5ミリ以下の微細なマイクロプラスチックが問題視されている。

 国連を含む国際的な対策は緒に就いたばかり。汚染拡大をどう防ぐか。各国の本腰を入れた取り組みが求められる。

 マイクロプラスチックは、主にごみとして海へ流れ出たプラスチック製品が波や紫外線で壊れて細かくなったもの。洗顔料などに使われるプラスチック粒子や化学繊維の糸くずも含まれる。

 ごみがあまりに小さいために回収は極めて難しい。有害な化学物質を吸着する性質があり、誤飲した鳥や魚などに蓄積して生態系を汚染する懸念が募る。

 先日、想像以上に深刻化している実態が分かった。北極の海氷の中にマイクロプラスチックが大量にたまっていることを、海外の研究チームが突き止めた。

 氷を溶かして海水1リットル当たりの数を調べたところ、最大1万2千個にも上った。世界各地から報告された調査結果の中でも最悪のレベルという。

 確認されたプラスチックは17種類で、包装容器に使われるポリエチレンが最も多く、ナイロンやポリエステルなど衣料品起源とみられるものも見つかった。

 北極にたまったのは海流の影響と考えられる。人間の生活圏から遠く離れた南極海でも見つかっており、汚染が地球規模で広がっていることを裏付けた。

 国連によると、海に流れ込むプラスチックごみは毎年800万トンを超える。プラスチックの生産量は年々増えており、ごみが急増するとの見方もある。

 深刻な状況を受け、各地でプラスチック製品の規制が始まっている。欧州連合(EU)は加盟国にレジ袋削減案の策定を義務付け、年間平均で約200枚に上る1人当たりのレジ袋使用量を2025年に40枚にまで減らす目標を決めた。米国やアフリカなどでも規制の動きが強まっている。

 日本でもマイクロプラスチックの使用を抑制するよう事業者に努力義務を課す法案が議員立法で提出され、今国会で成立する見通しとなった。ただし抑制に向けた具体策は盛り込まれず、理念的な内容にとどまっている。

 国連はごみ削減を各国に促すキャンペーンを始め、法的拘束力のある国際条約も視野に入れた対策を検討している。国際社会の取り組みに後れを取らぬよう、日本も危機感を持って対応策を強化しなければならない。

(6月9日)

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