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うつ病治療薬に新たなメカニズム 小諸出身・小泉教授ら発見

 山梨大医学部(山梨県中央市)の小泉修一教授(54)=小諸市出身、脳科学=らの研究グループが12日、うつ病治療薬がうつ病の症状を改善する新たなメカニズムを発見したと発表した。これまで治療薬は神経細胞に作用するとされてきたが、脳細胞の一種「アストロサイト」にも作用していることが判明。アストロサイトが作り出すタンパク質が神経細胞の回復に役立っていることが分かったという。

 研究グループは、代表的なうつ病治療薬を3週間投与し続けたマウスと、薬の代わりに水を与えたマウスを比べ、脳の記憶をつかさどる「海馬」でアストロサイトの動きを観察した。

 観察から、治療薬を投与したマウスでは、アストロサイトが神経細胞の修復や成長の栄養となるタンパク質「BDNF」を作り出すことを発見。神経細胞がBDNFを取り込むことで、本来の働きが回復し、数週間かけてうつ病の症状が改善することを突き止めた。BDNFはうつ病治療に効果があることはこれまでの研究で分かっていたという。

 うつ病治療薬は神経細胞に直接働き掛け、電気信号で情報を伝達する「セロトニン」や「ノルアドレナリン」を増やすように開発されてきた。九州大学医学部(福岡市)の神庭重信教授(精神医学)は「治療薬がアストロサイトに作用するメカニズムが明らかになったのは新しい」と評価する。

 小泉教授は「アストロサイトに直接働き掛ける薬を開発できれば、中枢神経に関係する認知症やパーキンソン病などへの効果も期待できるかもしれない」と話している。

(6月13日)

長野県のニュース(6月13日)