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新がん免疫細胞療法 信大・名大が特許ライセンス契約

 信州大(松本市)と名古屋大(名古屋市)が研究を進めている新たながん免疫細胞療法「CAR(カー)―T細胞療法」で、両大学は21日、富士フイルムグループの再生医療メーカー「ジャパン・ティッシュ・エンジニアリング(J―TEC)」(愛知県蒲郡市)と特許ライセンス契約を締結した。急性リンパ性白血病(ALL)を対象としたCAR―T細胞の製造技術や開発、販売の国内での独占的実施権を同社が取得。2019年内の治験開始を目指している。

 CAR―T細胞療法は、がん患者の体内から免疫細胞の一種「T細胞」を取り出し、がん細胞を捕捉するよう遺伝子を改変した上で患者の体内に戻す。米国ではALLで既に実用化されているが、1回の治療で約5千万円かかり、費用の高さが課題だ。

 両大学の研究チームは、信大の中沢洋三教授(47)が開発したより安価な製造手法の改良を進め、15年に国内外で特許を出願。今年2月から名大大学院の高橋義行教授(51)を中心にALL患者への臨床試験を進めている。

 治験に進み、得られたデータを基に細胞製剤の製造販売を国に申請、承認されれば治療に使用できるようになる。J―TEC社はこれまでの再生医療等製品の開発ノウハウなどを生かし「本技術の実用化を加速できると確信している」としている。

 ALLの発症は子どもに多く、国内の小児では年間10万人当たり3人ほどが発症。CAR―T細胞療法は抗がん剤が効かない患者などにも有効な治療法として期待されている。中沢教授は「多くの患者さんから問い合わせを受けている。実用化に向けた大きな一歩」、高橋教授は「安く多くの人に適用できるという期待がある。画期的な治療法を1日でも早く患者さんに届けたい」としている。

 中沢教授のチームは急性骨髄性白血病(AML)への効果が認められるCAR―T細胞も開発し、実用化を目指して研究を進めている。

(6月22日)

長野県のニュース(6月22日)