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松本サリン事件24年 今も恐怖・警戒感

オウム真理教松本支部道場明け渡し訴訟が行われていた地裁松本支部。松本サリン事件で教団は裁判を妨害するため裁判官官舎を狙ったとされるオウム真理教松本支部道場明け渡し訴訟が行われていた地裁松本支部。松本サリン事件で教団は裁判を妨害するため裁判官官舎を狙ったとされる
 松本市北深志の住宅街でオウム真理教が猛毒の化学物質「サリン」を噴霧した松本サリン事件は27日で発生から24年がたった。犯罪に関わった教団幹部らの一連の刑事裁判が1月に終結して初めて迎える節目。教団を率いた松本智津夫死刑囚(63)=教祖名麻原彰晃=ら確定死刑囚13人への刑執行が焦点となっている。事件現場付近などの住民には今もなお、痛ましい記憶が残り、後継団体などがある自治体は警戒を続けている。

 事件当夜、地裁松本支部官舎近くの駐車場に止まった車から噴霧されたサリンは、蒸し暑い夜の住宅街を襲った。「当時の風向きが違えば私も死んでいたかもしれない」。現場近くに住む男性は、あの夜を思い返した。オウムへの恐怖は今も記憶から消えず「後継団体は今も残っている。私が何か気に障ることを言えば報復されるかもしれない。怖い」と漏らした。

 事件の「引き金」とされるのが松本市南部にあった教団松本支部の土地明け渡し訴訟だ。支部建設に反対の住民が起こした訴訟で、オウムは判決が迫る中、サリンをまいて裁判の妨害を図ったとされる。

 反対運動があった地域の住民たちは「訴訟が原因で北深志の人が被害を受けた…」「(松本死刑囚らに)死刑が執行されたとしても償いきれる罪ではない」と複雑な思いをのぞかせる。

 公安調査庁は、松本死刑囚への絶対的帰依を掲げる主流派「アレフ」「山田らの集団」、元幹部の上祐史浩氏が設立した「ひかりの輪」を主な対象に、団体規制法に基づく観察処分を継続中。構成員や資産などの情報を報告させ、立ち入り検査も行っている。ひかりの輪が観察処分の取り消しを求めた訴訟で、東京地裁は2017年9月に請求を認めて処分を取り消した。国は東京高裁に控訴中だ。

 かつてオウムの施設があったり、観察処分対象の団体が現在あったりする全国の25市区町でつくるオウム真理教対策関係市区町連絡会は、各団体の動向や反対運動について情報交換し、警戒している。連絡会には長野県内から松本市と小諸市、東御市、木曽郡木曽町が参加。17年12月に法務省や同庁などに観察処分の強化を要請した。

 県内にある観察処分の対象団体の拠点は小諸市内のひかりの輪「長野教室」だけ。ひかりの輪広報部によると、同教室は長野、群馬などの数人が利用。仏教や心理学などの勉強会や、県内の自然や神社、仏閣巡りを行っている。アレフとは対立関係という。

 小諸市危機管理課は「関係機関と情報交換して注視している」としている。

(6月28日)

長野県のニュース(6月28日)