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県内の骨髄バンク新規登録、2年で2・9倍に

移動献血に併せて行われた骨髄バンクのドナー登録会。ボランティアが同バンクについて希望者に説明した=千曲市役所移動献血に併せて行われた骨髄バンクのドナー登録会。ボランティアが同バンクについて希望者に説明した=千曲市役所
 白血病など治療の難しい血液疾患を治すため、患者に骨髄移植のドナー(提供者)をあっせんする「骨髄バンク」への県内のドナー新規登録者数が急増している。2017年度は513人で、16年度(288人)より78%増え、15年度(178人)の2・9倍。献血会場で制度を説明するボランティア活動が後押ししているとみられる。ただ、人口比の登録者数は全国最下位のまま。関係者は若い世代への啓発や、入通院を伴う骨髄提供の負担を減らす助成制度といった環境づくりが必要としている。

 日本骨髄バンク(東京)によると、県内の総登録者数は5月末時点で4178人。骨髄を提供できる20〜54歳の人口千人当たりの登録者数は4・77人と全国最下位で、全国平均の8・55人を大きく下回っている。

 県は16年度から登録者増への取り組みを強めた。献血会場で希望者に骨髄バンクについて説明する「ドナー登録会」を充実させようと、ボランティア説明員の養成研修を16、17年度に開いた。16年3月時点で県内に2人(全国は839人)だった説明員は、19人まで増えた。

 説明員が多くなり、移動献血や献血ルームで実施した登録会は15年度の9回から、16年度は23回、17年度は63回と急増。5月中旬、千曲市役所更埴庁舎での移動献血に併せて行った登録会でも、説明員の横山宏志さん(64)=上伊那郡辰野町=が、バンクの現状や提供までの流れを希望者に説明した。説明を聞いた市職員の30代男性は「何か役立てれば」と登録した。

 一方、関係者が課題に挙げるのが、健康な人が多いのに登録が少ない20〜30代への啓発と、提供する際の負担軽減策だ。

 骨髄を提供する場合は通常3泊4日の入院が、末梢(まっしょう)血幹細胞の提供は少なくとも1〜2日の入院が要る。ほかに健康診断などで通院する必要があるという。県内の説明員でつくるボランティア団体「骨髄バンク長野ひまわりの会」を立ち上げた笠原千夏子さん(44)=諏訪市=は「仕事を休む必要があると知り、登録をためらう人も多い」と指摘。自治体による助成制度を望んでいる。

 埼玉県は14年度、同県の全63市町村と助成制度を開始。骨髄提供に伴う休業に対し、県と市町村が1日2万円(最大7日間)を助成する。日本骨髄バンクによると、こうした助成制度は全国16都府県、396市区町村が設けているが、長野県内ではまだない。企業のボランティア休暇制度も有効だが、細かな状況が把握できていないという。

 「地道に活動して、まずはバンクを知ってもらいたい」。笠原さんは、自身も慢性骨髄性白血病になり、弟から移植を受けて回復した経験を踏まえ、そう話している。

(7月2日)

長野県のニュース(7月2日)