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はき心地、ロボで追求 AOKIと信大繊維学部など

AOKIが信大などと開発したロボット。動いた際にスラックスから受ける圧力をセンサーが計測するAOKIが信大などと開発したロボット。動いた際にスラックスから受ける圧力をセンサーが計測する
 長野市創業の紳士服チェーンAOKI(横浜市)は信州大繊維学部(上田市)、電子計測装置開発のカトーテック(京都市)と共同で、スラックスのはき心地を数値化するロボットを開発した。動いた際に衣服から受ける圧力「衣服圧」を自動で繰り返し計測。集めたデータを新たな生地や、はき心地の優れたスラックスの開発に役立てる。研究成果を生かした新商品を、来年夏のクールビズ商戦に合わせて市場投入する予定だ。

 ロボットは、人と同じように関節を曲げ伸ばしできるポリウレタン樹脂製の下半身のマネキンを利用。右足の接地面を上昇させることで膝などの関節が曲がり、太ももや膝に加わる圧力をセンサーが計測する。布の風合いを計測する装置などで開発実績のあるカトーテックが製造を担当。信大が動作や計測の仕組みについて助言、協力した。

 信大繊維学部の西松豊典名誉教授は、2000年からAOKIのスーツ作りに協力。従来はAOKIがスーツのサンプルを信大に送り、信大の学生がスラックスをはいて衣服圧を計測していた。標準体形の学生を選んでモデルにしていたが、同一条件で実験を繰り返すことが難しく、安定的に客観的なデータを得られるようにするため、今回のロボットを共同開発した。

 03年からAOKIとの共同研究に加わっている信大繊維学部の金井博幸准教授によると、衣服圧は人の動作を妨げる圧迫感や窮屈感の原因になるだけでなく、4キロパスカルを超えると毛細血管の血流を阻害し、疲れやすくなるという。研究室では、筋肉の活動度合いと圧迫感を同時に調べ、動きやすさの総合的な評価方法の確立を目指す。

 AOKI広報室は「信大との共同研究によって衣服圧の概念が明確になり、業界に普及した」と説明。「はき心地を追求した独自商品で顧客満足度を高め、ビジネスウエアのシェア拡大につなげていきたい」としている。

(7月6日)

長野県のニュース(7月6日)