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岡山県倉敷市の真備町地区を流れる小田川が氾濫危険水位を超えたのは6日午後9時50分ころ。7日午前0時30分には氾濫し間もなく堤防が数カ所で決壊した。濁流が周辺の住宅地に押し寄せ、街は明け方までに「茶色の海」となった

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面積の約3割に当たる1200ヘクタールが浸水、約4600世帯が被災した。2階まで水没した民家や倒壊した建物も多い。屋根の上で助けを待った住民はボートで救出された。消防隊員の1人は東日本大震災の津波被害を思い出し、背筋が寒くなったという

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やっと水が引き捜索が本格化した。街を覆った泥に太陽が照り付け、乾燥したところでは土煙が舞い上がる。捜索隊が一軒一軒訪ねると遺体が次々見つかった。多くが自宅にとどまったとみられる高齢者だ。深夜の避難指示や携帯のエリアメールによる氾濫情報は届いていたのか

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西日本豪雨は平地の河川氾濫による甚大な被害が特徴だ。小田川は過去にも氾濫を繰り返し今秋には改修を始める計画だった。洪水のハザードマップと今回の浸水域は重なるのに大きな犠牲が出たのはなぜか。治水や避難のあり方を検証せねばなるまい

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真備町の小学4年、中川あゆむ君は浸水した2階から母親と浮輪を頼りに20メートルほど離れた隣家の屋根まで泳いだ。「怖かったけど、やるしかないけえ。助かって良かった」。家の片付けに戻ったあゆむ君は共同通信の写真記者に答えている。泥に埋まった街の再生へ、ほのかな希望である。

(7月11日)

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