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土蔵を再生 「鏝絵」伝える 14日、原村に施設オープン

オープンの準備が進むまてのくら1階。15点ほどの鏝絵などが並ぶオープンの準備が進むまてのくら1階。15点ほどの鏝絵などが並ぶ 14日にオープンする「まてのくら」14日にオープンする「まてのくら」
 原村郷土館の隣にある古い土蔵が14日、「鏝絵(こてえ)」を紹介する施設「まてのくら」としてオープンする。鏝絵は、しっくいを盛り上げて仕上げる壁などの立体装飾。村教委によると村内では約500の土蔵と千を超える鏝絵が確認されている。村教委と村が「鏝絵の良さを広く知ってもらい、村の文化的財産を未来につなぎたい」と、まてのくらを造った。

 鏝絵の技術は茅野市出身の左官、小川天香(てんこう)(1878〜1950年)が広め、八ケ岳山麓の土蔵の壁に多く残る。原村が2015年に「日本で最も美しい村」連合に加盟する際、鏝絵の価値も評価されたという。ただ、土蔵が必要とされなくなり、鏝絵の技術を持つ左官は減っている。

 村教委などは、地域の伝統文化を残す目的もあって昨年6月、郷土館隣の土蔵の改修を開始。土蔵はかつての村役場書庫で、40年ほど前に現在地に移築された後、民俗史料の保管に使われていた。

 改修は茅野市玉川の左官、下平武さん(76)と次男の悟さん(46)が請け負った。5カ月かけて木造2階建て、約60平方メートルの土蔵を再生。外壁は瓦を張り、目地にしっくいをかまぼこ形に塗る「なまこ壁」とし、恵比寿と大黒が梅の木の下で杯を交わす姿や、打ち出の小づちなどの縁起物を鏝絵であしらった。

 1階には、村内の土蔵から集めたり、下平さんがこれまでに制作したりした鏝絵約15点を展示。ウサギやキクの花などが緻密に表現されている。2階には火鉢や湯たんぽなどを並べ、かつて農家が家財道具を保管した土蔵の様子を再現した。

 「まて」は、「丁寧に」などの意味の方言。丁寧な生活を続ける村民性が村の発展につながった、として命名したという。14日午前9時半からオープンセレモニーをする。鏝絵の色付け体験などができる。問い合わせは村教委教育課文化財係(電話0266・79・7930)へ。

(7月12日)

長野県のニュース(7月12日)