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小津監督しのぶヒガンバナ 弟が栽培した球根配布へ

浅岡さんが映画祭実行委から預かったヒガンバナの球根浅岡さんが映画祭実行委から預かったヒガンバナの球根
 茅野市蓼科高原を晩年の仕事場とした映画監督小津安二郎(1903〜63年)のめいで、千葉県在住の小津亜紀子さん(69)が、小津家ゆかりというヒガンバナの球根を同市の小津安二郎記念・蓼科高原映画祭実行委員会に贈った。小津には「彼岸花」(1958年)という作品があり、小津の弟で亜紀子さんの父、信三さん(故人)が兄をしのんで自宅の庭で世話をしていたという。実行委は、茅野市で大事に育ててくれる人に配る計画だ。

 亜紀子さんによると、ヒガンバナは小津が亡くなった翌年に信三さんが育て始めた。小津に縁がある人に毎年一部を分けており、今回は実行委から依頼を受けた。昨年のうちにポット約60個分、プランター4個分を贈った。

 小津は戦前、三重県に住む祖母を訪ねた時に列車の窓からヒガンバナの群生地を見て気に入り、思い出を同級生に語っていた。神奈川県鎌倉市の自宅にも植えていたという。亜紀子さんは「映画の題名を決める時も、安二郎さんの頭を思い出がよぎったのではないか」と話している。

 実行委が受け取った球根は、富士見町でバラ園を営む浅岡正玄(まさはる)さん(60)が保管。ポット約60個分は、蓼科高原の小津の別荘「無芸荘」で今月16日に開かれる映画祭の関連イベント「蓼科・夏の小津会」の参加者に配る。

 プランターの球根は今後送り先を検討するといい、亜紀子さんは「多くの人に興味を持ってもらえるとうれしい」と話している。

(7月12日)

長野県のニュース(7月12日)