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ミスズ工業、人手不足解消へ 箕輪工場再開

ミスズ工業が5年ぶりに利用を再開した箕輪工場=箕輪町ミスズ工業が5年ぶりに利用を再開した箕輪工場=箕輪町
 精密・電子部品製造のミスズ工業(諏訪市)は、業績悪化に伴い2013年に閉鎖した上伊那郡箕輪町の箕輪工場で、自社製品の生産に使う省力化機械の開発・製造に着手した。同工場の利用を5年ぶりに再開。深刻化する人手不足を受け、製造工程の自動化で生産性を高める。機械の自社開発で生産技術のレベルを上げ、自動車、医療、産業機器といった成長市場での新規受注開拓も目指す。

 省力化機械の設計、開発を担う部署「RS(ロボティクス・ソリューション)グループ」を今年3月に新設。20〜30代の若手社員を含む技術者13人が配属され、箕輪工場で働いている。山崎泰三社長は「人材育成と並行して生産工程の合理化を進め、少量多品種生産に対応できる体制を整えたい」とする。

 箕輪工場は1984(昭和59)年に開設。液晶テレビの表示に不可欠な半導体搭載部品の製造を担い、08年のリーマン・ショック前には約300人が働いていた。しかし、国内大手家電メーカーの業績が、円高や競争激化による製品価格の下落で軒並み悪化。液晶・半導体市場の急激な低迷で、ミスズ工業も同工場の閉鎖を余儀なくされた。

 ミスズ工業の18年3月期の売上高は、前期並みの約45億円。プレス加工を中心にミクロン(1ミクロン=千分の1ミリ)単位の精密加工を手掛け、創業時から続く腕時計部品の量産を主力とする。プリンターや携帯電話の部品も製造しているが、安定した収益を確保するため、少量多品種生産に対応して有望市場を開拓することが課題になっている。

 山崎社長は、リーマン後は業績回復のため生産技術関連の機能を縮小するなど「苦しい経営状況の中で技能、技術の継承が一時止まっていた」と説明。電気自動車(EV)へのシフトが進む自動車や医療分野では、安全面から高精度な部品が求められるため、「受注獲得のチャンスがある」とみる。自動車、医療、産業分野の売上高は現在、全体の数%にとどまるが、中長期的には15%程度を目指す。

(7月13日)

長野県のニュース(7月13日)