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満蒙開拓、語り継ぐ「灯」 梓川高生が体験聞き取り紙芝居

上演後、紙芝居について生徒たちと話す(右から)倉科さんと三村さん=12日、松本市上演後、紙芝居について生徒たちと話す(右から)倉科さんと三村さん=12日、松本市
 松本市波田の梓川高校2年3組の生徒たちが、地元住民から聞き取った満蒙(まんもう)開拓の体験を基に制作した紙芝居「あの日の灯(ともしび)〜語り継ぐ満蒙開拓の話」の披露式が12日、同校で開かれた。大戦末期の旧ソ連の侵攻で逃避行を続けた開拓団の過酷な状況を描き、集まった住民ら約20人を前に気持ちを込めて読み上げた。

 生徒たちは、旧満州(現中国東北部)に開拓団員として渡った倉科昭一さん(87)と三村修一さん(85)から当時の体験を聞き取り、B2サイズ25枚の紙芝居にまとめた。

 物語は、戦争について調べ始めた現代の高校生が、突然現れた妖精から開拓団に参加したある家族の歩みを聞き、それを追体験する形で進む。歩けなくなった高齢者を置いていく悲惨な逃避行。収容所で栄養失調で亡くなる家族―。満州で現地住民の土地を奪った歴史にも触れ、最後に妖精が「戦争を起こさないために必要なことは何か、みんなが力を合わせて考えていってほしい」と締めくくる。

 上演後、丸山遥香さん(16)は「話したくない昔のつらいことを教えてくれた地域の人のために一生懸命作った」。古幡彩那さん(16)は「自分より下の世代にも伝えていきたい」と誓っていた。

 鑑賞した倉科さんは「当時を思うと今も苦しいが、若い子たちがよくやってくれた。感謝したい」と話していた。

 制作は昨年11月、地元のまちづくり組織「波田コミュニティデザインクラブ」が歴史や平和の尊さを伝えようと呼び掛けて始まった。14、15日に同校文化祭で、8月11日には満蒙開拓平和記念館(下伊那郡阿智村)で上演する予定だ。

(7月13日)

長野県のニュース(7月13日)