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武器使用拡大へ未経験領域 南スーダンPKO

 PKO施設内の陸上自衛隊部隊による防護壁設置作業現場で警戒する陸自隊員=14日、南スーダン・ジュバ(共同)  PKO施設内の陸上自衛隊部隊による防護壁設置作業現場で警戒する陸自隊員=14日、南スーダン・ジュバ(共同)
 政府は15日、南スーダンの国連平和維持活動(PKO)に参加する陸上自衛隊に安全保障関連法に基づく「駆け付け警護」を付与することを閣議決定した。武器使用範囲を拡大させた上で実施する任務で、戦闘に巻き込まれる危険性が増大するとの懸念は拭えない。自衛隊の海外活動は、踏み入ったことのない新たな領域に入った。

 稲田朋美防衛相は午後、防衛省で新任務に関して「しっかり状況を見つつ、任務を果たし、国際貢献する。助けられる人を見殺しにしない制度だと説明していく」と記者団に強調した。

 離れた場所にいる国連職員らを助けに行く駆け付け警護は、隊員や周辺者の身を守る従来の正当防衛・緊急避難の「自己保存型」に加え、任務遂行への妨害行為に警告射撃や威嚇を行う「任務遂行型」の武器使用が初めて可能となった。

 政府が発表した「基本的な考え方」では、派遣部隊は「施設部隊であり治安維持は任務ではない」とし、他の国連部隊がいないなど「極めて限定的な場面」で行うとしている。ただ警告射撃は武装勢力や暴徒を挑発し、衝突を誘発しかねない。

 別の新任務の「宿営地の共同防衛」に関し、首都ジュバでは同じ区域に日本やルワンダなど複数の国が拠点を置く。これまで日本は自らの宿営地以外では対処できなかった。宿営地では武器使用は自己保存型に限られるが、今後は避難民が押し寄せたり、武装勢力の襲撃を受けたりする際、共同で任務に当たることになる。

 共同防衛は、安保関連法に含まれるPKO協力法の改正で具体的に規定が設けられた。政府は当然の権利だとしてPKOの実施計画を追加する閣議決定手続きは不要としている。

 新任務に伴い、政府は現地の医官を3人から4人に増やす方針だ。さらに、状況把握や事後的な検証を目的として隊員の行動を記録する装着型小型カメラを配備する。

(11月15日22時25分)

政治(11月15日)