国内外ニュース

戦中の中国の写真を展示 華北地方で国策会社が撮影

 展覧会の会場で説明する日本カメラ財団の白山真理調査研究部長=29日、東京・半蔵門のJCIIフォトサロン  展覧会の会場で説明する日本カメラ財団の白山真理調査研究部長=29日、東京・半蔵門のJCIIフォトサロン
 南満洲鉄道(満鉄)の流れをくみ、日中戦争中の1930年代後半、日本が占領した中国華北地方で設立された国策会社「華北交通」が当時、グラフ誌制作などのために現地で撮影した写真の展覧会が29日、東京・半蔵門にある日本カメラ財団(JCII)のフォトサロンで始まった。入場無料、12月25日まで。

 展示は、北京の学校の授業風景、道路工事、理髪業など人々の暮らしや産業を写した写真を中心に160点以上。「苦力輸送 天津」などのキャプションが付いて残っていた写真、旧陸軍の検閲で公開不許可になったとされる写真も展示する。

 近年、同社の写真が京都大人文科学研究所に保管されていたことが分かり、同財団と京大などの研究者らのグループが約3万5千枚の写真やほぼ同数のネガの調査、研究を進めている。

 写真は同社が発行していた日本語グラフ誌「北支」への掲載などの目的で撮影されたとされる。満鉄の北支事務局として天津で発足した37年から、日本の敗戦で事実上解体される45年にかけて撮影されたものが残っているという。

 京大に保管された経緯の詳細は不明で、その存在は少数の関係者しか知らなかったという。

 日本カメラ財団の白山真理調査研究部長は「華北交通は国策に従って広報・宣伝活動をしていた。日中戦争・太平洋戦争当時の日本の宣伝活動の在り方の一端が分かる史料だ」と話している。

(11月29日17時26分)

文化・芸能(11月29日)