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全国の地銀、行員の再就職支援 即戦力活用で実績109人

 退職や転居時の再就職支援  退職や転居時の再就職支援
 退職した銀行員を相互に紹介し合う全国地方銀行協会(地銀協)加盟64行の取り組みが成果を上げている。スタートから約2年半で109人が再就職したといい、事務局の千葉銀行は「即戦力確保の観点からも積極活用されている」と意義を強調。人手不足を背景に、各方面でもさまざまな取り組みが広がり始めた。

 企業では、結婚や配偶者の転勤に伴い退職する社員が毎年一定人数出る。「配偶者同行休業制度」があっても、長期休業への精神的負担などから退職を選択するケースが多いとみられる。専門知識や資格がありながら、慣れない土地での再就職は容易でなく、政府の働き方改革でも対策が課題になっている。

 地銀64行の制度は、配偶者の転勤などで退職した場合、希望があれば転居先に近い地銀を紹介する。銀行業務は共通要素が多い。以前の職種や保有資格も考慮されやすく、転職しやすいという。

 類似の取り組みをトヨタ自動車の車や部品の販売会社も始めた。全国約390社が退職者を紹介し合う。従業員は計約13万人おり、女性が約15%。始めたのが6月で利用実績はまだないが、事務局のトヨタ自動車販売店協会の幹部は「(系列からの)人材流出が防げ、人手不足の解消にもつながる」と期待する。

 金融界では損保ジャパン日本興亜が配偶者の転勤や介護などを想定し、勤務地を変更できる制度を導入した。またオリックスは退職理由にかかわらず勤続3年以上の退職社員の再入社を認め、職種や等級は退職時と同等以上を保証している。

 ただこれらの再就職支援制度は今のところ、経営が安定している大企業が中心。中小はネットワークも限られ、打てる施策も限られる。三菱UFJリサーチ&コンサルティングの矢島洋子主席研究員は「同一業種内にとどまる制度設計のみでなく、社会全体で再就職を支援する仕組みも必要だ」と指摘している。

(9月2日8時40分)

経済(9月2日)