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映画になったパン屋さん、浅草 創業74年「ペリカン」

 映画の中で「白米のように毎日食べられる」とファンが話す「ペリカン」の食パン  映画の中で「白米のように毎日食べられる」とファンが話す「ペリカン」の食パン
 種類は食パンとロールパンだけなのに、毎日開店前から行列ができるパン屋が東京・浅草にある。老舗の人気店「ペリカン」だ。ペリカンの職人の仕事ぶりや、店を巡る人々を描いたドキュメンタリー映画「74歳のペリカンはパンを売る。」が10月に公開される。

 ちょっと不思議なタイトルは、映画が撮影された昨年、店が創業74年だったためだ。1942年創業のペリカンは30歳の現店主、渡辺陸さんで4代目。当初は菓子パンも販売していたが、渡辺さんの祖父で2代目の多夫さんが、食パンとロールパンだけに絞る決断をした。他の店との競争を嫌い、独自のやり方を選んだのだという。

 それ以来、少ない種類に集中してより良い物を作る、という多夫さんの理念を受け継いでいる。形の違いがあるだけで、生地の種類は二つだけ。毎日食べられるシンプルな味を守ってきた。

 映画化の話に、渡辺さんは「ベテランの職人さんや、長年機械を整備してくれている方の記録映像として残したい」と承諾。半年かけて丹念にペリカンの姿を追った作品からは、地道に同じ物を作り続けることの難しさ、大切さが伝わる。渡辺さんは「おじいちゃんが見たら喜んでくれるだろうと思った」としみじみと話した。

 映画は10月7日から東京・渋谷のユーロスペースで公開。大阪、名古屋でも上映が予定されている。

(9月28日15時35分)

文化・芸能(9月28日)