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仙台の医師らに未公開株提供 シンガポールの医療機器会社

 仙台厚生病院=8日、仙台市  仙台厚生病院=8日、仙台市
 仙台市や米国、インドの医師と病院がシンガポールの医療機器メーカーから未公開株などの提供を受けていたことが9日、分かった。仙台の医師と病院はメーカーの治験に関わり、うち1人は株の売却益が1億円超になったと認めた。共同通信が参加する国際調査報道ジャーナリスト連合(ICIJ)が入手した「パラダイス文書」の分析で判明した。

 仙台の病院は仙台厚生病院。同病院や医師は株購入を公表していない。得た利益は税務申告し法的問題はないと説明するが、医師と医療企業の関係が倫理面で問われそうだ。治験などを巡る利害関係については国内では近年になり、公表を促したり義務付けたりするルールの整備が段階的に進んでいる。

 医療機器メーカーは「バイオセンサーズ・インターナショナル・グループ」。タックスヘイブン(租税回避地)の英領バミューダ諸島で登記され、本社をシンガポールに置く。血管治療に使う器具などを開発。2005~16年にシンガポールで上場していた。

 パラダイス文書によると、バイオ社が株を提供する相手とした医師の名前は少なくとも7カ国の14人分あった。未公開株のほか、あらかじめ決めた価格で株を買える権利(ストックオプション)の提供もあった。

 うち仙台厚生病院は、バイオ社の上場前の安い価格で07年7月に株を買い受け、直後に売却し約440万円の利益を得た。同病院に所属していた3人の医師も株を購入。1人は05~06年に売り、利益が1億円を超えた。

 病院は01~03年にバイオ社の製品を使った治験を行った。バイオ社から株提供の申し出があったのは07年、購入の直前と説明。目黒泰一郎理事長は治験との関係を否定し「別の研究に対する謝礼の意味で提供があった」と答えた。

 売買と同じ時期にバイオ社の技術を使った別メーカーの治験も実施したが、バイオ社の技術とは知らなかったとして売買との関連は否定した。

(11月10日3時06分)

社会(11月10日)