ユニホームは大事な記念 回収わずか2着


 「丸ごと溶かしてナイロン製品に再生可能」と打ち出した長野五輪スタッフ、ボランティアの公式ユニホーム二万六千着のうち、実際にリサイクルのため回収工場に届いたのはわずか二着にとどまっている。大会の理念「自然との共存」を具体化するため導入したが、ユニホームと苦楽を共にした「思い出」は、理念よりも重かったようだ。

 「また着ようとは思わないが、大事な記念ですから」と、長野五輪にボランティアで参加した長野市篠ノ井の男性。他の五輪グッズとともに箱に詰めて保管している。リサイクル可能なことは知っているが、手放し難いという。

 同市川中島町の女性は「デザインがカッコいいし、スキー場で着ていれば、五輪の時に一緒に頑張ったボランティアの人が声をかけてくれるかも知れない」と、今冬も着用するつもりだ。

 長野五輪でスタッフ、ボランティア約三万人が着用した公式ユニホームは、ゴールドスポンサーだったミズノが提供。「スポーツウエアでは世界初の資源循環システム」をうたい、ジャケット、コートなどは回収する兵庫県の製造工場に送れば、溶解してナイロンの原料に戻す仕組みだ。

 ミズノは「記念品として保管されているなら、それも結構。もし捨てることになったら、もう一度リサイクルを思い出してほしい」と気長に構えている。

(1998年6月9日 信濃毎日新聞掲載)