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3月6日(金)
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長野、障害者集う街には遠く 迎える側の心も課題
四日夜、長野市中央通りのセントラルスクゥエアで開いた長野冬季パラリンピック前夜祭。車いすの上本弘敏さん(64)=上水内郡小川村=は、聖火リレーの伴走を終えたその足でリレー仲間と会場に駆け付けた。 この日を半年前から楽しみにしていたといい、大相撲の佐ノ山親方(元大関小錦)らの鏡割りに目を輝かせた。だが、障害者席にあてられた最前列のスペースには車いすの人はなかなか姿を見せず、十人に満たなかった。 前夜祭に参加した県身体障害者福祉協会の羽田定雄理事長(73)は「まだ寒い時期だからしかたないと思うが、ちょっと残念です」。障害者の国際的なビッグイベントでも、障害のある市民の参加は広がらなかった。 長野市の中心市街地では、国、県、市が集中して障害者用施設の整備を進めてきた。長野市は九七年三月、JR信越線の北西側に広がる市街地百八十五ヘクタールを「やさしいまちづくり総合計画」で重点地区に指定。道路、公共交通、公園などについて整備項目を定めている。 ここ四年間に重点地区内で新設・改修された点字ブロックは四・四キロ。総延長は七・九キロに上る。車いすの人も利用できる公衆トイレは七カ所。主な民間施設を加えると十数カ所になる。JR長野駅舎の改築に伴い、西口、東口に市はエスカレーターとエレベーターも設けた。交差点改良などでは車道と歩道の段差解消にも努めている。 県、市ともに不十分さは認めているが、県内では障害者用施設が集中して整備された地域となった。 障害者の利便性を高めるため、市内で路線バスを運行するバス会社二社も九六年四月以降、重点地区内も走る三路線で車いすのまま乗り降りできるリフト付きバスを運行。県内のリフトバス四路線のうち三つまでが集中する。 しかし羽田理事長は、街に出る車いすの人はトイレまでの距離を非常に遠くに感じているという。「盲導犬の入店を断られ、つらい思いをした人もいる」とも。商店主らの多くは、店を訪れる障害者は固定化していると話す。 バス会社二社によると、リフトバスの利用者の多くは市民病院や長野赤十字病院などへの通院客が占める。ショッピングや娯楽での利用はまだ限られている。川中島バス(同市大豆島)は一月二十二日、長野駅―善光寺間も走る「宇木線」に観光利用も見込んでリフトバス一台を導入したが、二月末までの車いす客は延べ八人だけだ。 受け入れ側の長野商店会連合会は、昨年六月に「人にやさしい街づくり特別委員会」(横田一尊委員長)を新設。障害者も交えて昨年八月に実施した現地調査を基に、商店入り口の段差をなくすなどの対策を練り始めている。パラリンピックに合わせて、車いすに対応できる店にはステッカーを張り出している。 だが、「ハンディキャップのある人を取り巻く環境が貧弱で街に出られない。街中でも施設が不十分で気後れする…。こういった悪循環をどこかで変えないとだめでしょう」と横田委員長(48)。これらの対策でも障害者を呼ぶのは難しいとみる。「受け入れ側の心も含めて、訪れてみたくなる魅力ある街をつくりだせるかが課題です」 障害のある世界の若者らが長野に集い、さまざまな交流を繰り広げるパラリンピックを通じて、街づくり人づくりの新たなヒントを見いだせるかが問われている。
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