「最大の見せ場」どっと10万人 見物客の列、入場制限も



 諏訪大社御柱祭の下社山出し祭二日目を迎えた十一日、汗ばむほどの陽気にも誘われ、諏訪郡下諏訪町の「木落とし坂」には、早朝から続々と見物客が詰めかけた。坂の直下にある砥川河川敷にはシートがびっしり並び、昼ごろには十万人近い人出に。午前十一時半ころからは木落とし坂一帯への入場を制限したほどで、御柱祭最大の見せ場を心待ちにする人でぎっしり埋まった。

 岡谷市湊の自営業中沢滋さん(38)は、前日の祭り終了直後の午後七時すぎに木落とし坂が正面に見える場所にテントを張って徹夜。「県外から親せきが三十人近く来る。有料指定席が買えなかったので徹夜で場所取りです。夜はとても寒かったけれど、いい場所が取れて良かった」

 砥川対岸の有料桟敷席は午前六時前から行列ができ、開門時間を一時間以上繰り上げ、昼前にはほぼ満席状態。最上段の特等席を確保した松本市渚の会社社長手塚確さん(59)は、指定券を定価の五倍の七千五百円で手に入れた。「どうしても一度見たくてね」と趣味のカメラを構えた。

 シャトルバス発着点となるJR下諏訪駅では、午前六時すぎから見物客が集まり始め、昼近くには大混雑。満員のバスが数分おきに発車したが、駅前は数百人が行列を作り、バスに乗るまでに一時間以上待つ人もいた。入場制限に伴い、十一時四十分からシャトルバスの運行もストップした。

(1998年4月11日 信濃毎日新聞掲載)