上社山出し時間制限に難しさ 苦心の曳行責任者

(2010年4月 5日) 

「本宮四」の木落としを前に、木遣りなどのセレモニーで盛り上がる氏子たち=4日午後0時50分

 4日まで開かれた諏訪大社御柱祭の上社山出しは、御柱の曳行(えいこう)が夜にかからないよう、大総代でつくる上社御柱祭安全対策実行委員会が見せ場の「木落とし」「川越し」に時間制限を設けた。それでも、最終日だけで前回より2万人多い人出の中、時間はずれ込み、川越しがすべて終わったのは、日もすっかり沈んだ午後7時半すぎ。曳行責任者たちは、はらはらしながら見守った。
 4日に木落としと川越しをした「前宮三」の茅野市金沢・諏訪郡富士見町富士見地区。木落としは予定より数分遅れ、川越しはほぼ時間通りに川に突入した。木落としでは、御柱に付けた「メドデコ」を左右に揺らす演出を予定より短縮。金沢地区の曳行長、池上泰司さん(58)は「祭り全体のことを考えた。氏子の協力があったからこそできた」と満足そう。
 前回は曳行が大幅に遅れ、2、3日目に4本ずつ予定した川越しが、2日目に3本、最終日が5本となり、今回も同じだった。最後の「前宮四」が川越しを終えた後、安全対策実行委員長の五味武彦さん(70)=諏訪市=は「夜に川越しをすると危険性が増す。(全体的に)ちょっと遅れすぎ」と渋い顔だった。
 御柱の曳行は、木落としや川越しの前に木遣(や)りやラッパ隊演奏、メドデコを揺らすなどのセレモニーに時間をかける伝統がある。大総代の中には「こればかりは仕方ない。安全対策は確かに重要だが、氏子が楽しめなくなるのもどうか」との声も。別の地区の曳行責任者は「見ている人も楽しませたいし、悩みどころ」。
 諏訪郡原村・茅野市泉野地区が担当した「前宮二」の曳行長、伊藤茂さん(54)=原村=は「少し遅れたが、想定の範囲内。けがなく終われただけで十分」と納得した表情だった。