TOP2014年09月「一刻も早く」願う家族 活動中断、救助隊「つらい」
情報を求めて家族らの待機場所になっている木曽町役場を訪れた関係者=30日午前8時40分
救助活動が再開できず待機する自衛隊の大型輸送ヘリ。後方は噴煙を上げる御嶽山=30日午前9時7分、王滝村の松原スポーツ公園

 御嶽山の噴火から4日目の30日、救助活動は火山性微動の振幅が大きくなって開始直後に中断を余儀なくされた。これまで2日間は計12人を救助。この日は現場に到達することもできず、長野県警や自衛隊、消防の救助隊員は唇をかんだ。山麓で待つ家族は無念さをにじませた。

 「全員を完全に降ろす意気込みだった。非常に残念。自然の力にかなわない現実を突き付けられた」。30日午前9時、木曽郡王滝村役場で記者会見した陸上自衛隊松本駐屯地(松本市)に駐屯する第13普通科連隊の田中浩二・第一科長は悔しそうに話した。

 この日は前日までに比べて態勢を増強。地上からのグループに加え、大型輸送ヘリコプター2機で計180人を山頂近くに一気に運び、心肺停止状態の人を全て収容する計画だった。だが、午前7時3分、県から「火山活動活発化のため、(救助活動を)一時中止」との連絡。地上のグループは8合目付近で引き返すことに。ヘリも離陸を見送った。

 陸自第12旅団司令部の井上薫広報室長は、日没までの間に別のヘリを使い、ホイスト(電動式つり上げ装置)で一人一人つり上げる救助が可能かどうかを判断するとし、「1日でも早く、要救助者を下山させてあげたい」と語った。

 愛知県緊急消防援助隊の渡辺勝己大隊長(51)も同日午後、集まった県内外の消防隊全隊の活動を中止すると発表。「ご家族の心情を察するとつらく、残念のひと言。ただ、自分の身を守れない状況で救助はできない。明日以降にこの悔しさをぶつけたい」と話した。

 行方不明者の関係者向けの待機場所がある木曽郡木曽町役場には、午前6時ごろから家族らが集まり始め、報道陣の問い掛けに「とにかく早く見つかってほしい」「帰ってくることを祈るだけ」と厳しい表情で答えて足早に建物に入った。

 同町災害対策本部は午前9時、安否が分からない40人の家族ら約80人に救助活動の状況を説明。担当者が火山活動の活発化で活動を見合わせていると報告すると、家族など2人から「一刻も早く救助を始めてほしい」との声が上がったという。

 心肺停止状態の登山者が運び込まれる木曽町の旧上田小学校には30日午前、家族とみられる人たちが頻繁に出入りした。11時45分ごろ、霊きゅう車にひつぎが乗せられると、関係者は伏し目がちに学校を後にした。

2014年9月30日掲載