TOP2014年11月生還者、鎮魂・決意胸に献花 2カ月...思いさまざま
慰霊法要後に話す(左から)鎌田さん、林さん、小川さん=27日午後2時49分、王滝村の松原スポーツ公園

 御嶽山(長野・岐阜県境、3067メートル)の噴火から2カ月となった27日、木曽郡王滝村の松原スポーツ公園に設けられた献花台には、当日登山をしていて噴火に巻き込まれながら生還した人たちの姿があった。自分だけ生き残ったという心のわだかまりを鎮めたいと犠牲者の冥福を祈る人、登山者の死を無駄にしないためにも自身の体験を伝えていこうと決意する山岳ガイド―。さまざまな思いを胸に訪れていた。

 この日、噴火が起きた午前11時52分から営まれた慰霊法要には、県内外から噴火時に山頂一帯にいて難を逃れた4人の生還者が参列した。

 津市の鎌田隆雄さん(61)は下山後、相次いで取材を受けた。王滝山頂付近で噴石を避けるためにすぐに岩陰に隠れるなど、当時自分が取った行動を説明するのが「亡くなった登山者を責めている」ように思え、心が締め付けられたという。犠牲者には、結婚を約束したカップルなど若い人たちが少なくなかった。「自分だけが生き残ってしまい申し訳なかった」との思いがもたげた。

 2カ月がたち、「罪悪感」は次第に薄れてきたが「献花台に来なければ気が済まなかった」。噴火後、初めて御嶽山を望む山麓を訪れ、手を合わせた。「自分の心を鎮めることができた」と話した。

 「犠牲になった人のご冥福をお祈りをしたかった」。愛知県長久手市の会社員佐藤敏満さん(46)は、多くの犠牲者を出した噴火時を今も夢のように思え、気持ちの整理がつけられないできたという。

 噴火直後は、剣ケ峰山頂付近で岩に隠れ、約2時間耐えた。周りには同じように岩に隠れた人もおり、声を掛け合っていたが、そのうちに返事がなくなった人もいた。自然の猛威の前に「何もできなかった」と悔やむ。「まだ見つかっていない人もいる。早く見つけてあげて、家族の元に帰れるといい」と行方不明者を思いやった。

 岐阜県中津川市の会社員林禎和さん(41)は噴火直後から体験をインターネット上などで伝えてきた。「当時の状況を思い出すのはつらい人もいるが『その時、何があったのかを知りたい』という遺族もいる」。自身の体験を伝えることが「活火山を登る際の教訓になっていけばいい」と思っている。

 林さんとともに献花台を訪れた上伊那郡飯島町の山岳ガイド小川さゆりさん(43)は剣ケ峰山頂付近で噴火に巻き込まれた。下山後、ガイド講習会などで噴火の怖さを伝える。「何年後かに噴火の記憶が薄れ、安全対策が何も変わらなければ、同じことが繰り返される」。大勢の登山者が犠牲になった御嶽山を見つめながら、「登山の安全について訴え続けたい」と話した。

2014年11月28日掲載