TOP2015年01月火砕流は複数回発生 信大など堆積物調査

 昨年9月27日に御嶽山(長野・岐阜県境、3067メートル)が噴火した際、山頂付近が低温の火砕流に複数回襲われたとみられることが25日、東大や信州大などの研究グループによる堆積物の調査で分かった。火砕流は噴出した火山ガスや火山灰が混ざって空気より重くなり、斜面を流れ下る現象。生還した人たちは「2、3回、真っ暗になったり明るくなったりした」などと証言しており、グループは今回の噴火の経過や火砕流が被害の拡大と関連するかどうかなどを調べる。

 東大や信大、独立行政法人産業技術総合研究所(茨城県つくば市)などの研究者8人のグループは昨年11月、山頂の剣ケ峰付近に許可を得て入山。山頂の東側約200メートルと300メートルの2カ所で、堆積した火山灰や火山礫をブロック状に切り出し、試料として持ち帰った。

 調査を取りまとめた東大地震研究所の中田節也教授によると、2カ所の試料には大きさがふぞろいな火山礫や火山灰が入り交じった層があった。火山の噴出物が上空から降ると、落下速度の違いで大きさが比較的そろった層状に積もるが、火砕流の場合は横に流れながら積もるため、ふぞろいになるという。

 試料では大きさがふぞろいの層が複数重なっており、中田教授は「火砕流の勢いに波があったと解析できる」と説明。研究グループは登山者の証言や撮影した写真、映像などと現地調査の結果を突き合わせる作業を進めており、「今回の噴火がどう進み、何が起きたかを確かめたい」と話している。

 火山噴火予知連絡会は今回の火砕流について、剣ケ峰の南西側へ約2・5キロ、北西側へ約1・5キロ流れ下ったと推定。樹木が焦げた跡はなく、委員らは「温度は100度前後だった」とみている。

 一方、東大地震研は映像などから火砕流は剣ケ峰の北東側にも流れたと指摘しているが、風に流された火山灰との見分けがつきにくく、範囲は特定できていない。

2015年1月26日掲載