TOP2015年04月遺族会、19日発足 約20組が入会の意向

 昨年9月の御嶽山の噴火災害で亡くなった人の家族らが19日に発足させる遺族会「山びこの会」(仮称)に、県内外の20組ほどが入会の意向を示していることが16日分かった。中心になって準備しているシャーロック英子さん(56)=東京=が同日、信濃毎日新聞の取材に明らかにした。シャーロックさんは「互いに助け合い、励まし合いながら慰霊をしていきたい」と話している。

 噴火災害の犠牲者は57人で、居住地は長野など16都府県に及び、遺族は全国各地にいる。遺族会は、それぞれが悲しみを分かち合い、国などに火山防災に向けた提言や要望をしようとシャーロックさんらが結成を呼び掛けた。19日に松本市で開く遺族会発足式には十数組の約30人から出席の連絡があり、「会の取り組みなどの様子を見たい」としている遺族もいるという。

 シャーロックさんは妹の伊藤ひろ美さん(53)=東御市鞍掛=の夫で、義弟に当たる保男さん=当時(54)=を亡くした。保男さんは「美ケ原高原パークボランティアの会」の仲間5人と登山中、山頂の剣ケ峰と王滝頂上の間にある「八丁ダルミ」付近で噴火に遭い、死亡が確認された。

 シャーロックさんは、しばらくは噴火時の保男さんの状況や気持ちなどを想像しても分からずに「(想像だけが)どんどん膨らむばかりだった」と苦しんだ胸の内を明かす。ひろ美さんとともに、下山した仲間から保男さんが被災した位置や噴石の激しさなどを聞いた。別の仲間の遺族とは、保男さんの遺品のカメラに残されていた登山中の写真を見て、ともに故人をしのんだ。そうした中で気持ちが落ち着くのを感じたという。

 ひろ美さんが「他の人たちはどうしているんだろう」と話したことから、シャーロックさんは「同じ状況の人同士なら、ちょっとしたことで共感できる」と考えた。昨年12月ごろから遺族会の設立を構想し、今年3月、一部の遺族に打診。木曽郡木曽町を通じ、情報提供を希望する遺族に案内を送ってもらった。

 シャーロックさんは、噴火前に火山性地震が増えていたにもかかわらず、気象庁が噴火警戒レベル1(平常)を維持した点を疑問視。同庁や文部科学省、国土交通省など火山防災に関わる省庁の縦割りの解消や、専門家中心の火山観測機関が必要だと考えており、遺族会でも今回の噴火災害の検証などを検討する。

2015年4月17日掲載