TOP2015年04月御嶽山噴火、心の傷深く 遺族ら9割「当時思い苦しく」

 犠牲者57人、行方不明者6人と戦後最大の火山災害となった昨年9月27日の御嶽山噴火で、信濃毎日新聞社は犠牲者の遺族・行方不明者の家族、当日の登山者らにアンケートを行い、28日、結果をまとめた。発生から半年余、遺族・行方不明者の家族の90%は、当時のことが頭に浮かび、苦しくなることが「ある」(「よくある」「時々ある」の合計)とした。遺族らを含めて登山中に噴火に遭った人の38%は「下山できた自分を責めることがある」とし、サバイバーズ・ギルト(生存者の罪悪感)を抱えている実態が浮かんだ。

 犠牲者の居住地が16都府県に及び、噴火当日の登山者を合わせると、全国各地に被災関係者がいる火山災害で、遺族や登山者らを対象にしたアンケートは初めて。連絡先が分かった人に調査用紙を3月から郵送するなどし、長野を含む18都道県の102人から回答を得た。内訳は遺族・行方不明者の家族(遺族ら)は52人、登山者・山小屋スタッフ(登山者ら)は50人。噴火時に登山していた人は遺族らを含め54人だった。

 噴火当時のことが頭に浮かび苦しくなることがあるかを聞くと、遺族らは「よくある」が54%、「時々ある」が36%。登山者らはそれぞれ8%、24%だった。

 「下山できた自分を責めることがある」を、犠牲者やけが人が多く出た山頂一帯にいた32人に限ると、「ある」が53%を占めた。噴石や熱風に襲われた登山者を目撃した人も多いとみられ、中腹などにいた20人の15%を大きく上回った。

 噴火災害について相談した相手(複数回答)は回答者全体で、「家族」(62%)、「友人・知人」(49%)が多く、登山者を中心に「登山仲間」(31%)も目立つ。「市町村や県」は5%、「精神保健センター・保健所」はゼロ。4%は「相談できる人・機関がない」とした。

 現在、自身に必要なこと(三つまで)は全体で「家族・親族、知人の支え」と「災害や救助・捜索の詳細な情報」が36%ずつ。「同じ立場の人との支え合い」が30%、「噴火が予知できなかったことの説明」が29%と続き、「専門的な精神ケア」は9%だった。

 一方、噴火前に火山性地震が増えたものの、気象庁が噴火警戒レベルを「1(平常)」に据え置いたことには、回答者全体の79%が「引き上げるべきだった」とした。遺族らに限ると98%に達した。

 回答者全体で、御嶽山が火山だと「知っていた」のは61%。知っていた人のうち、登山で噴火に注意すべきだと「思っていた」のは18%。行政による注意喚起は、75%が「できていない」とした。

2015年4月29日掲載