TOP2015年05月鉄筋コンクリ屋根壊す威力の噴石 山頂100メートル四方1000~2000個

 昨年9月27日の御嶽山噴火で多くの犠牲者が出た山頂一帯に降った噴石の中には、地面に衝突する時に鉄筋コンクリート製の屋根を壊すほどのエネルギーを持つものがあることが28日、山梨県富士山科学研究所などの研究グループの試算で分かった。100メートル四方に千〜2千個ほどが落ちた―としている。シェルター(避難壕(ごう))の強度や構造などに参考になりそうだ。

 同日、千葉市であった日本地球惑星科学連合の大会で発表した。

 同研究所の常松佳恵研究員によると、火山噴火予知連絡会が昨秋に山頂の剣ケ峰一帯を踏査した結果や、持ち帰った噴石から噴石の直径を平均35センチ、1立方メートル当たり2053キログラムと設定。東京大地震研究所が噴火翌日、上空から剣ケ峰など山頂一帯の噴石の跡を調べており、今回の試算は東大地震研の調査結果も参考に飛び方を推測した。

 試算によると、噴出時は秒速100〜150メートルと判明。飛距離に見合う高さも加味して衝突時のエネルギーを算出した。衝突時に1万ジェール(一般的な鉄筋コンクリート製の屋根を貫通するエネルギーの目安)を超える噴石は、火口周辺で100メートル四方に3千〜4千個。剣ケ峰や、剣ケ峰〜王滝頂上間の八丁ダルミ周辺、剣ケ峰北側の一ノ池の一部などは同千〜2千個が落ちたとしている。

 御嶽山噴火後、全国の火山でシェルターの整備や山小屋の補強に関心が高まった。整備主体となる地元自治体からは「有効性が判断できない」(焼岳などがある松本市)との声があり、内閣府は本年度、シェルターの強度や構造について指針を作る予定だ。

 常松研究員は試算について、「建物に必要な強度や、避難区域の設定の検討などに生かしてもらえるといい」と話している。

 御嶽山噴火の犠牲者57人の大多数は、噴石が当たることなどによる「損傷死」だった。剣ケ峰周辺で32人、八丁ダルミ周辺では17人が見つかった。

 富士山科学研究所は、富士山麓の生態系や火山防災などを研究。山梨県が昨年4月に設けた。

2015年5月29日掲載