TOP2015年06月規制緩和時期見通せず レベル引き下げ、防災面の課題も

 御嶽山(長野・岐阜県境、3067メートル)の噴火警戒レベルが26日、3(入山規制)から2(火口周辺規制)に引き下げられた。低下傾向が続く火山活動と、御嶽山火山防災協議会幹事会で同日確認した防災態勢を踏まえ、気象庁が判断した。入山規制範囲の縮小は行方不明者の再捜索終了後で、いつからかは見通せない。防災面の課題も積み残されている。

 長野県幹事長の直江崇・県木曽地方事務所地域政策課長は幹事会後、「安全確保が最重要課題」と強調。木曽郡木曽町の原久仁男町長は取材に、再捜索後に速やかに規制を緩和できるよう、再捜索と並行して登山道や山小屋の状況を確認する意向を示した。

 緊急避難先として活用する方針の二ノ池本館。代表の新井龍雄さん(70)=木曽町三岳=は「万一を考えると、安全対策が整っていない山小屋に客を迎えるのは無理だ」と説明。県災害対策本部が10日に山頂付近に派遣した調査隊に加わった従業員が確認し、「中に灰が入り、屋根も雨漏りが心配な状態」だった。

 木曽町は7〜10月、山小屋関係者ら10人程度を雇い、数人ずつ女人堂に常駐して見回る「安全パトロール隊」を置く。黒沢口、開田口の両登山道を8合目まで確認し、登山者に危険箇所などを伝える。再捜索後は石室山荘も活動拠点とし、対象範囲を広げる。

 幹事会に出席した木股文昭・東濃地震科学研究所副首席主任研究員は、観測機器の拡充は進んでおらず、火山活動を把握する力は昨年の噴火前と同じと指摘。「早く充実するべきだ」と求める。

 幹事会では、再捜索後から通れる登山道について、火山活動が急変した場合の避難経路案も事務局が示した。どの方向に逃げるべきかを矢印で登山者に示す内容だが、「風向きなどでケース・バイ・ケース」(山岡耕春・名古屋大大学院教授)との指摘があり、確認を見送った。

 火山性地震は昨年の噴火17日前に急増し、気象庁の噴火警戒レベルの判定基準で「1日に50回以上」とするレベル2(火口周辺規制)への引き上げ条件の一つを上回った。昨年11月以降は1日に数回から十数回の状態が続く。昨年8月以前はゼロの日も多かった。同庁火山課の小泉岳司・火山対策官は「着実に低下してきたが、引き続き注意が必要」と話している。

 気象庁は26日、御嶽山の活動状況について、火山性地震を19〜25日に1日1〜3回、26日は午後3時までに5回観測したと発表。噴煙は火口から高さ千メートル以下を推移しているとし、二酸化硫黄放出量の発表はなかった。

2015年6月27日掲載