TOP2015年06月御嶽山噴火9カ月、登山者遺族が王滝村民と交流
小谷さん(右奥)ら王滝村の人たち(左側)と話す遺族たち(右側)=27日、王滝村

 御嶽山(長野・岐阜県境、3067メートル)の噴火災害から9カ月となった27日、噴火で犠牲になった登山者の遺族7人が木曽郡王滝村を訪れ、民宿を営む小谷洋子さん(62)ら村民5人と交流した。20日に信濃毎日新聞が主催したシンポジウムで、観光誘客を優先しがちだった村側の姿勢を反省を込めて振り返った小谷さんに、遺族が面会を求めた。

 小谷さんは、同郡木曽町で開かれたシンポ「火山と生きる―御嶽山から学ぶ」にパネリストとして参加。「(村や私たちは)観光立村と声を大きくしていたのに、最悪の事態を想定していなかった」と述べて謝罪した。

 この日、村を訪れた遺族は愛知県一宮市の所清和さん(53)、喜代美さん(52)夫妻と同市の丹羽真由美さん(50)、北安曇郡池田町の野口弘美さん(57)ら県内外の7人。小谷さんは知り合い4人に声を掛け、村内の民宿で面会した。

 長男を失った女性は、噴火前は頻繁に木曽地方を観光で訪れていたという。だが、噴火後は王滝村の火山防災の対応に疑問を感じ、この日まで訪れることができなかった。「小谷さんの話で木曽の人の思いが初めて分かった」と涙ぐんだ。

 次男と婚約者を亡くした所さん夫妻も「噴火後は観光の話ばかりで、犠牲者のことはどうなったのか」(喜代美さん)と感じていたといい、「公の場で(小谷さんに)話してもらい、わだかまりが取れた」(所さん)と明かした。

 王滝村の木材業浅井勝さん(77)は「村民の活火山の危険に対する認識が薄く、忘れがちだった」。犠牲者の冥福を祈り続けているという佐口幸子さん(80)も「村民の一人一人が認識不足だった。教訓を子どもたちに学んでほしいと考えている」と振り返った。

 小谷さんは「まずは遺族の皆さんに共感する姿勢が大切」と話し、村の将来像を検討する総合戦略会議委員として遺族対応を提言するとした。夫を亡くした野口さんは「将来同じ事が起きないよう、みんなが協力して話し合って良い結果にしたい」と話し、浅井さんは「今日は第一歩。定期的にお会いしよう」と締めくくった。

2015年6月28日掲載