TOP2015年08月御嶽山噴火 遺品展示や防災対策で意見交換
終了後、意見交換の内容などについて話すシャーロック英子さん=29日午後5時すぎ、木曽町

 昨年9月の御嶽山噴火災害の犠牲者遺族による「山びこの会」と、山麓の木曽郡木曽町、王滝村は29日、町役場で火山の安全対策などについて意見交換した。県内外の7家族10人と原久仁男町長、瀬戸普村長ら計20人余が出席し、非公開で開催。出席者によると、遺族が防災対策が不十分と指摘する場面があったほか、災害の風化を防ぐための遺品展示や慰霊碑建立などについて意見が交わされた。

 両町村長との意見交換は7月に続き2回目。前回は十分な時間が確保できず、山びこの会の呼び掛けで開かれた。

 出席者によると、原町長は、活火山であるという注意喚起が不足していたが「登山中の事故や災害は自己責任」とし、瀬戸村長は「村として(防災対策は)やることはやってきた」と強調。遺族は、注意喚起の不足だけでなく、事前の火山活動の情報を伝えるのも不十分で、自己責任という言葉はそぐわないと主張した。

 山びこの会事務局代表のシャーロック英子さん(56)=東京=は、遺品を展示する施設の設置を要望。原町長は御岳ロープウェイの山麓側駅近くにある施設などを候補地に対応するとした。長野、岐阜県などの関係機関でつくる御嶽山火山防災協議会に遺族を加えるよう望む意見も出た。同協議会長の原町長は「協議会で検討したい」とし、シャーロックさんは「協議会に入れないなら今後も意見交換会を開いてほしい」と求めた。

 終了後の取材に、夫を亡くした北安曇郡池田町の野口弘美さん(57)は「本音で話すことができた」。瀬戸村長も「会を重ね、災害の捉え方の違いを擦り合わせていきたい」とした。次男を失った愛知県一宮市の所清和さん(53)は、要望した慰霊碑建立に前向きな回答があったとし「遺族の言葉を受け止めてもらい有意義だった」と語った。シャーロックさんは「被害者と加害者の構図で捉えきれない災害。双方とも感情的にならずに前向きに話し合いたい」とした。

2015年8月30日掲載