TOP2015年09月火山対策、注意喚起望む声 噴火1年で本社が関係者アンケート 

 信濃毎日新聞社は26日、昨年9月の御嶽山噴火災害から1年を前に、犠牲者の遺族、行方不明者の家族、噴火時に山にいた登山者、山小屋スタッフを対象に行ったアンケートをまとめた。被害が大きくなった原因では、58%が「登山者への注意喚起の不十分さ」を挙げ最多。国内の火山の観測、予知、防災態勢は進んだと思うかは、39%が「思う」で、14%の「思わない」を上回ったが、「何とも言えない・分からない」が48%と最も多く、戦後最大の被害を出した火山災害の教訓が生かされているか、判断しかねている状況が浮かんだ。

 本紙は噴火半年を機に、遺族や登山者らを対象にした全国初のアンケートを実施、18都道県の102人から回答を得て4月にまとめた。今回は2回目で、9月上旬から調査用紙を郵送するなどして行い、長野を含む18都道県の90人から回答を得た。遺族・行方不明者の家族(遺族ら)は42人、登山者・山小屋スタッフ(登山者ら)は39人。登山中に家族が犠牲になったなど両方の立場の人が9人。

 被害が大きくなった原因(回答二つまで)は、「注意喚起の不十分さ」に続き、「噴火予知の不十分さ」(45%)、「一般に火山の危険が知られていなかった」(36%)。遺族に限ると「予知の不十分さ」が59%で最多だった。

 御嶽山麓にあったらいいと思うもの(回答二つまで)は、「犠牲者を慰霊する場所」が65%で最も多く、「登山者の意識を高める場所」が46%、「遺留品などを展示し、災害を伝える場所」が31%と続いた。噴火災害について71%が「風化し始めていると思う」と答え、前回調査より2ポイント上昇。火山の危険性を伝え、災害を風化させない取り組みが望まれている。

 噴火当時のことを思い出すことが「ある」(「よくある」「時々ある」の合計)は86%。「ある」とした人のうち、「思い出すことが増えた」が21%、「変わらない」が60%で、「減った」は19%だった。生き延びた自分を責めることが「ある」(「よくある」「時々ある」の合計)は23%。前回調査より15ポイント低下したものの、苦しい心理状況の人は少なくない。

 遺族らへの行政などの支援が十分にされているかについては、遺族らの52%が「何とも言えない・分からない」とし、「思わない」は38%、「思う」が10%。前回調査とほぼ同じで、噴火災害をめぐる情報の連絡や心のケアなどが依然として課題であることが浮かび上がった。

2015年9月27日掲載