TOP2015年09月木曽・王滝の住民ら、鎮魂の一日 「遺族の気持ち思いながら」
鈴を鳴らしながら御詠歌を唱える原さん(左)ら=27日午前10時32分、王滝村松原スポーツ公園
「9・27」を表現するろうそくに点火する三岳地区の住民たち=27日午後6時3分、木曽町三岳の太陽の丘公園
太陽の丘公園などに供えられていた千羽鶴を供養する地元住民ら=27日午後7時7分、木曽町福島の大通寺

 御嶽山噴火災害から1年となる27日、木曽地方の山麓で追悼法要などが開かれた。多くの地域住民らが参加して犠牲者らに黙とうをささげ、鎮魂の祈りが広がった。

 木曽郡王滝村の松原スポーツ公園では「犠牲者追悼式」の前に追悼法要があり、鳳泉寺(ほうせんじ)を拠点に活動する「御詠歌会」が御詠歌を唱えた。午前10時、同郡内の住職10人や遺族ら約10人が出席し、献花台前で始まった。村内に住む同会の女性17人は、犠牲者の鎮魂の願いを込めて約5分間、鈴を鳴らしながら御詠歌を唱えた。遺族らは目を閉じながらじっと耳を傾け、涙をぬぐう人もいた。

 同会の原清子さん(97)は「遺族の方たちは苦しい思いを抱えている。その気持ちを思いながらうたった」。噴火災害で次男とその婚約者を亡くした愛知県一宮市の会社員所清和さん(53)は「鈴の音が心に響いて、息子たちに(御詠歌を)よんでいるかのように聞かせていただいた」と話した。

 同郡木曽町三岳の献花台のある太陽の丘公園では住民向けの追悼慰霊式があった。三岳地域自治協議会内の総務福祉部会とみたけ未来創造塾が企画し、約100人が参加。献花台横に犠牲者と行方不明者が計63人となるのにちなみ、63本のろうそくをともした。

 午後6時、63本とは別に、切った竹の中に置いたろうそく約120本に火をつけ、明かりで「9・27」を表現。犠牲者らに黙とうをささげ、御嶽山に向かって花を手向けた。総務福祉部会長の三並俊晴さん(66)は「行方不明者が1日も早く家族のところへ帰るよう祈念したい」とあいさつ。創造塾代表の浦沢真由美さん(54)は「この地域は御嶽山とともに生活してきた。災害を忘れないためにも、取り組みを続けたい」と話した。

 同町福島の大通寺では午後7時すぎ、犠牲者を悼んで作ったり県内外から集めたりした千羽鶴を焼く「おたきあげ」があった。玩具店経営林理子さん(45)ら有志が企画。太陽の丘公園にささげられた鶴も含め、約5万羽を燃やした。

 昨年10月、鶴を折り始めた林さん。徐々に活動の輪が県内外に広がった。月1回集まって千羽鶴を作り、町内の献花台などに置いている。林さんは「今後も千羽鶴を作り続け、毎年おたきあげなどを行いたい」と話していた。

2015年9月28日掲載