TOP2015年09月悲劇忘れない 噴火1年 王滝で犠牲者の追悼式
追悼式後に移動した登山口の献花台で、御嶽山に向かい呼び掛ける遺族=27日午後2時41分、王滝村の田の原

 犠牲者58人、行方不明者5人に上る御嶽山(長野・岐阜県境、3067メートル)の噴火災害が発生してから27日、1年を迎えた。山麓の木曽郡王滝村で犠牲者の追悼式が開かれ、犠牲者の遺族146人を含め、国、県、麓の市町村関係者ら440人が参列。1年前に噴火した時刻の午前11時52分には全員で黙とうをささげ、犠牲者を悼んだ。

 戦後最大の火山災害となった昨年の噴火は、観測・予知、登山者への情報伝達など日本の火山防災体制の弱さを浮き彫りにした。国は対策を充実させる方針を打ち出したが、予算の継続的な確保や専門家の育成といった課題は多い。

 追悼式は王滝村、木曽郡木曽町、岐阜県高山市、下呂市による実行委員会が主催した。実行委員長で王滝村の瀬戸普村長はあいさつで、「み霊の前に謹んで哀悼の意をささげる」と述べた。遺族代表として、夫の伊藤保男さん=当時(54)=を亡くした東御市の伊藤ひろ美さんが「二度とこのような惨事が起こらないよう、火山防災体制を整えられることを望む」とあいさつした。

 山谷えり子防災担当相は、活動火山対策特別措置法の改正などに触れ「火山による被害を最小限にするためできる限りの力を尽くす」。阿部知事は「関係機関と連携して対策に万全を期す」と述べた。

 遺族らは追悼式後、王滝村の田の原登山口にある献花台に移動して、御嶽山に向かって献花するなどした。

 気象庁は6月に、御嶽山の噴火警戒レベルを3(入山規制)から2(火口周辺規制)に引き下げたが、山頂1キロなどの範囲は登山できない状態が続いている。

2015年9月28日掲載