TOP2015年10月御嶽山の変化、早期把握へ 気象庁の観測強化全体計画
御嶽山の二ノ池近くに地震計を設置する気象庁職員ら=19日

 気象庁が昨年9月に噴火した御嶽山(長野・岐阜県境、3067メートル)で進めている観測強化の全体計画が28日までに、まとまった。火口付近に火山ガスや地磁気を測定する機器を新設し、火山活動の高まりに伴う地下の熱や圧力の状態を観測できるようにする。これまで2カ所だった地震計は9カ所に増やして山体を囲むように配置し、火山性の地震や微動の早く正確な把握を目指す。

 火山ガスの観測機器は、漂ってくるガスに含まれる硫化水素や二酸化硫黄の濃度を測定でき、成分などから地下の熱や圧力を推測する。火口東側の王滝頂上付近に設置する予定で、気象庁が導入するのは初めて。

 御嶽山と同様の水蒸気噴火が起きている草津白根山(群馬・長野県境)では、東京工業大がガスの成分変化を火山活動を把握する重要な手掛かりにしており、御嶽山にも応用する。

 地磁気観測は、温度が上昇すると磁気が弱まる岩石の性質を利用し、地下の温度変化をつかむ。火口付近を中心に南北方向7点で観測する。既に雌阿寒(めあかん)岳(北海道)や草津白根山で導入している手法という。

 地震計はこれまで手薄だった南西の地点の観測強化のため、木曽郡王滝村内の林道など計7カ所に増設。このうち4カ所は、通常の地震計より幅広い地震波を捉える広帯域地震計とする。

 水蒸気噴火の予知のためにわずかな前兆も捉えようと重視している火口付近の観測強化では、ガスや地磁気のほか、二ノ池東側に広帯域地震計を、北側に傾斜計を設置する。火口を監視するカメラも王滝奥の院付近に設ける計画だ。

 これらの観測機器は年内に設置することを目指してきたが、調査などに時間がかかって越年する可能性も出ているという。火山課は「来年度からの本格運用には間に合わせたい」としている。

2015年10月29日掲載