TOP2015年12月生徒との交流 心の癒やし 愛知の遺族 王滝を訪問
藤本さん(左)に合格祈願のお守りなどを渡す所さん=12日、王滝村

 昨年9月の御嶽山噴火災害で、次男とその交際相手を亡くした愛知県一宮市の会社員所清和さん(54)、喜代美さん(53)夫婦が12日、山麓の木曽郡王滝村を訪れ、高校受験を控えた王滝中学校の3年生6人に合格祈願のお守りを贈った。代表の藤本優佳さん(15)に渡した清和さんは、9月に王滝村で講演してから続く生徒との交流が心の癒やしになっている、と感謝を伝えた。

 夫婦は次男祐樹さん=当時(26)=とその婚約者、丹羽由紀さん=当時(24)=を噴火で失った。長く心の整理がつかなかったというが、清和さんは藤本さんの両親が営む民宿に泊まった縁で、9月に王滝小学校と中学校の児童生徒に講演。命の大切さや災害の記憶を伝えてほしいと語り、子どもたちから感謝の歌を贈られて「吹っ切れた気がした」と言う。

 10月には王滝村の「おんたけ湖ハーフマラソン」に出場。藤本さんら中学3年生がコース後半を一緒に走り、手をつないでゴールしてくれた。11月半ばには子どもたちから講演の感想文が届き、「保育士さんになって命を大切に育てたい」と書いた小学5年の女子児童の文章に目頭が熱くなったという。

 今回はまず中学3年生へのお礼にと、名古屋鉄道(名古屋市)が自社の「桜駅」「開明駅」にちなんで発売している「合格祈願きっぷ」などを用意。折り鶴を和紙で包んだ贈り物には、「愛知からも王滝中受験生の桜満開を祈っています」とメッセージを添えた。

 藤本さんは「所さんと出会えた縁を大切に、応援に応えられる大人になりたい」と感謝を伝え、清和さんは「みんながいる村だから行きたくなる」と伝えた。来春の卒業式前にも得意の折り鶴でお祝いしたいと話した。喜代美さんは「祐樹と由紀ちゃんが最後に笑顔を浮かべたのは、御嶽山がある王滝村。私も王滝を大事にしたい」とほほ笑んでいた。

2015年12月13日掲載